事と[語句情報] »
事と
「事と〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
事との前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、誠に御無事な御生涯で、そのほかには何一つ、人口に膾炙《かいしゃ》するような御逸
事と申すものも、なかったからでございます。
六
その御話の....
「影」より 著者:芥川竜之介
始めた。
「拝啓、貴下の夫人が貞操を守られざるは、この上なおも申上ぐべき必要無き
事と存じ候。されど貴下は溺愛の余り……」
今西の顔はこの瞬間、憎悪《ぞうお》そ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ん》と云う侍も、同じく助太刀《すけだち》の儀を願い出した。綱利は奇特《きどく》の
事とあって、甚太夫の願は許したが、左近の云い分は取り上げなかった。
求馬は甚太....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
事でございます。これは、仇討《あだうち》の真似事を致すほど、義に勇みやすい江戸の
事と申し、且《かつ》はかねがね御一同の御憤《おいきどお》りもある
事と申し、さよう....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
つらにく》くなったのだった。その上兄が大学生になると云う事は、弟が勉強すると云う
事と、何も関係などはありはしない。――そうまた父の論理の矛盾《むじゅん》を嘲笑《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
や笑いながら、
「じゃもう一つ、好い事を御教えしましょうか。」
「何だ。その好い
事と云うのは。」
彼が不審《ふしん》そうにこう問返すと、若者はまだ意味ありげな....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ば或悲劇の芸術的価値を否定するのに、悲惨、不快、憂欝《ゆううつ》等の非難を加える
事と思えばよろしい。又この非難を逆に用い、幸福、愉快、軽妙等を欠いていると罵《の....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
事を、惧《おそ》れない訳ではない。が、林右衛門は、それを「家」に関《かかわ》る大
事として、惧れた。併し、彼は、それを「主《しゅう》」に関る大
事として惧れたのであ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
り》の強い宿の湯帷子《ゆかた》の袖に近眼鏡《きんがんきょう》の玉を拭っていた。仕
事と言うのは僕等の雑誌へ毎月何か書かなければならぬ、その創作のことを指《さ》すの....
「運」より 著者:芥川竜之介
、そんな事もあったように聞いて居りますが。」
「どんな事があったね。」
「どんな
事と云って、そう一口には申せませんがな。――しかし、貴方《あなた》がたは、そんな....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
を持っているか、こう云う点に関しては、如上《にょじょう》で、その大略を明にし得た
事と思う。が、それを伝えるのみが、決して自分の目的ではない。自分は、この伝説的な....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
とが、窓から一と思いに飛び降りて、自分には脱れることの出来ない単調なこれらの出来
事と手を切ってしまいたいと私に思わせた。 私は毎日顔を剃りながら我とわが咽喉を....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
配の間に成長したれど悪びれたる所なく、内気なれど情心あり。主公は朋友の懇親会に幹
事となりてかの夜、木母寺の植半にて夜を更して帰途なりしとなり。その事を言い出て大....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
がわれ、ここに泊ることとなった。 どういう仕事をするのかというと、王立協会の幹
事との間に作成された覚書の今に残っているのによると、「講師や教授の講義する準備を....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
げて挨拶をしたものだった。 彼は犯罪を追求して弱いものを保護することを生涯の仕
事とした。詐欺師や殺人犯人達にとって、彼ほど怖いものは無かった。という訳は、心の....