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「事に触れて〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

事に触れての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
が七十二も焼けたるは厄介払いというような村吏や神職の仕方ゆえ、氏子ら大いに憤り、事に触れて、一カ月前にも二大字|合従《がっしょう》して村役場へ推しかけ荒々しき振....
真田幸村」より 著者:菊池寛
むかし、姓名判断などは、なかったのであるが、幸村ほど智才|秀れしものは時に際し事に触れて、いろいろ名前を替えたのだろう。 真田は、信濃の名族|海野小太郎の末....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
えていたが、葉子はじりじりする気持をわざと抑えるようにしていながら、それとなし記事に触れて行こうとした。 「みんなそう言ってたわ、あの記事少し酷いって。日頃の先....
十二支考」より 著者:南方熊楠
、願わくは妾を見るなかれ〉、これは今日ポリネシア人に鮫を族霊《トテム》とする輩が事に触れて鮫の所作を為すごとく、姫が本国で和邇を族霊とし和邇の後胤と自信せる姫が....
火のついた踵」より 著者:宮本百合子
つき合い調和して行けると思うわ。けれども、結婚した生活では、その考えと、実際の物事に触れて起って来る、その人のしんからの心持とが、どの位ぴったりしているか。それ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
後、女房がかえって我々に同情してくれるようになりました。それは女のことですから、事に触れては感情がいら立ったようですけれども、一面にはまた友人の妻と、拙者との間....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ことだけは疑いがないのです。本場仕込みと言ったところで、おのおのその国の一流の芸事に触れて来たというわけではないが、気分にだけは相当にひたって来ているのですから....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
然、前なる二騎とは遠い隔りが出来てしまいます。 高村卿は、世間話が、ちょっと時事に触れて来た時、一種の慷慨に満ちた憂色をもって、 「左様――何がどこへ落着くか....
源氏物語」より 著者:紫式部
っぱになったと認めていただけるようにしてお目にかからなければいけませんよ」 と事に触れて院は教えておいでになるのであった。実際こうした良人がおいでにならなけれ....
源氏物語」より 著者:紫式部
なに悲しんでおいでになることだろう。その当時はよくわからなかったが、近年になって事に触れて私の見たところではあの御息所は相当にりっぱな人らしい。院の後宮の才女に....
随筆評論集「情意の干満」後記」より 著者:豊島与志雄
一つを除いて、厳に避けられている。 随筆や感想の類は、言うまでもなく、時に随い事に触れて書かれるもので、これを読むのにその執筆日付が大切になることもある。だが....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
は、駭然として目を覚ます、そう謂ったあり様に、おかれてあったのではないか。だから事に触れて、思いがけなく出て来るのである。そう思えば、集古館の不思議どころでなく....
食道楽」より 著者:村井弦斎
だ小児だから一身の生涯を定める場合には必ず老功者の意見に従わなければならんよ」と事に触れて女の心得を諭《さと》す。お登和嬢も漸《ようや》く心落着きて素直に「ハイ....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
どてらに着換え、太い薪をくべて座敷のストーブを囲むと、私達の話は期せずして市岡の事に触れて行った。 森山の話によると、市岡と加害者との距離は、わずかに二尺ばか....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
たすけてその道にも精しかったのである。名言をのこしている。 先づ歌を詠まん人は、事に触れて情けを先として、物のあはれを知り、常に心を澄まして、花の散り木の葉の落....