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「事務家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

事務家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
然は不自然らしく見える彼の態度を倫理的に認可したのである。 七十七 細君の父は事務家であった。ややともすると仕事本位の立場からばかり人を評価したがった。乃木《....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
なくなっちゃう」 K・S氏は思ったより若く、才敏な紳士であった。身なりも穏当な事務家風であった。しかし、神経質に人の気を兼ねて、好意を無にすまいと極度に気遣い....
」より 著者:島崎藤村
。優雅な、鷹揚な、どことなく貴公子らしい大旦那のかわりに、進取の気象に富んだ若い事務家が店に坐った。達雄の失敗に懲りて、幸作はすべて今までの行き方を改めようとし....
思想としての文学」より 著者:戸坂潤
要が、気づかれ出した。こういう問題を真剣に提出した最初の哲学者は当時国際的な外交事務家であったライプニツである。 処がすでにデカルトによって、代数的記号が一般....
クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
! ああ、私はそう云う人間であったのだ!」 「だがしかし、お前さんはいつも立派な事務家でしたがね」と、スクルージは言い淀みながら云った。彼は今や相手の言葉を我が....
小公女」より 著者:菊池寛
んでした。手紙には、こう書いてありました。 「セエラよ、お父さんは、知っての通り事務家ではない。数字や、書類はひどく私を苦しめる。熱があるせいだろう、夜中まで寝....
小春」より 著者:国木田独歩
派な実際家になって、他人のうわさをすれば必ず『彼奴は常識が乏しい』とか、『あれは事務家だえらいところがある』など評し、以前の話が出ると赤い顔をして、『あの時はお....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た快弁を弄《ろう》した。彼はその絶大な自信の念をもってパリーにのしかかっていた。事務家で、敏腕家で、利己的で、率直でまた狡猾《こうかつ》で、熱情的で、一人よがり....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。 前囚徒ブルヴェーは、中央監獄の暗灰色の上衣を着ていた。六十歳ばかりの男で、事務家らしい顔つきと悪者らしい様子とをそなえていた。事務家の人相と悪者の様子とは....
レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
安いガルヴァなどを沢山作らせることが出来た。 マクスウェルから引継いだ助手は、事務家ではあったがあまり役に立たなかった。それが間もなく死んだので後任者を募集し....
株式仲買店々員」より 著者:ドイルアーサー・コナン
、一方では、事務所の外見、壁の上に会社の名前が出ていなかったこと、それからその他事務家の注意しないではいられない部分などが、私のその雇主の位置に対して悪印象を残....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
のが一番よろしいかと存じますが?」 「ええ、どうぞ。」 「|マネット嬢、わたしは事務家でございます。今わたしには自分の果さなければならん事務の受持が一つございま....
キャラコさん」より 著者:久生十蘭
なく、ボクさんと始めて逢った時のことからくわしく話はじめました。 こんな多忙な事務家にたいして、あたしの話し方はすこし悠長《ゆうちょう》すぎたかも知れません。....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
候、小生|惟ふに学者の楽しむ所は理のおもしろみ、詩人の楽しむ所は情のおもしろみ、事務家の楽しむ所は action のおもしろみ、事の趣にあらんか、元来当学堂は表....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
心、そうしたものとともにこの荒々しい熱病的な女は、突如としてむずかしい顔つきの女事務家に変じ、秘書官たちと何時間も一室に閉じこもったまま、命令書を読んだり口述し....