事実無根[語句情報] » 事実無根

「事実無根〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

事実無根の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「少女地獄」より 著者:夢野久作
の定……今日まで姫草ユリ子が言い立てて来た事は、一から十までと言っていいくらい、事実無根の事ばかりであった。白鷹先生の平塚往診の事実も、歌舞伎座見物の話も、当日....
「空を飛ぶパラソル」より 著者:夢野久作
ろでもあるのか」 「……大ありだ……」 「エッ……」 「しかも今のところでは全然事実無根だ」 私はドキンとして飛び上りそうになった。……早川に直接当らなかった....
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
社長と山羊髯に面会して記事の取消を厳命したという事で、その翌る日の朝刊の一面に「事実無根……安島家云々」の二号活字の取消広告と、社会記事の末尾に小さな取消記事が....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
今聞くだに恐ろしき罪名の下に拘禁されて居りますものゝ、神楽坂署にて申立ての事柄は事実無根にて、被告の犯し居ります罪に非ざれば、真の申立を為す能わず、就いては被告....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
それとなく聞きしに、そんなことは知らぬと申し候。けれどこれは兄が知らぬからとて、事実無根とは断言出来｜難しなど笑ひ申し候。君にも似合はぬ仕事かな。ある事はありて....
「微笑」より 著者:横光利一
喜ぶ様子もなく、その日は一日重く黙り通した。 高田が帰ってからも、梶は、今まで事実無根のことを信じていたのは、高田を信用していた結果多大だと思ったが、それにし....
「鉄面皮」より 著者:太宰治
かく意気のあがらぬ返事であった。何かの間違い、と思ったが、また考え直してみると、事実無根というわけでもない。私はからだが悪くて丙の部類なのだが、班の人数が少なか....
「それに偽りがないならば」より 著者:宮本百合子
によってすすめられたもので、人権は蹂躙された。したがって被告としては各自にとって事実無根の公訴をみとめることができないというのが、共通の趣旨であった。二十九歳の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
人柄を知っていたので、オリヴィエが負わせられてるちょっとした背信の行為というのは事実無根であることを、少しも疑わなかった。そして事の起こりを調べにかかって、その....
「明治開化　安吾捕物」より 著者:坂口安吾
を見かけぬほどの豪の者さ」 と、意外な大讃辞を呈して、一息。 「癩病とあるのは事実無根の作りごとだ。業病の汚名に甘んじても隠さねばならぬ大きな秘密があったのだ....
「明治開化　安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。背負う力は限りを知らず、と伝えられている。 逮捕されて取調べられたオタツは、事実無根を言い張ったが、ナガレ目が彼女に不利な証言をしたことを知ると、顔がカッと....
「彼が殺したか」より 著者:浜尾四郎
めて冷く見えたそうです。道子の事に就て、友田は道子との特別の交際に関しては絶対に事実無根であると主張し、殊に当夜道子とひそかに話をした等《など》という事は全く新....