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「二つ巴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二つ巴の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
、鶴屋と聞えた財産家が、去年東京のさる華族から娶り得たと云う――新夫人の二人が、二つ巴の、巴川に渦を巻いて、お濠の水の溢るる勢。 「ちっとも存じませんで、失礼を....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の流れが放出され、これが空間中にばく大な距離まで広がって、そうして、星雲に特有な二つ巴のような二重螺旋形を形成する。その噴出物質は主として最も凝縮しにくいガス体....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
その裡が湯どのらしい。 「半作事だと言うから、まだ電燈が点かないのだろう。おお、二つ巴の紋だな。大星だか由良之助だかで、鼻を衝く、鬱陶しい巴の紋も、ここへ来ると....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
る。 春の日も午近くなれば、大分青んで来た芝生に新楓の影|繁く、遊びくたびれて二つ巴に寝て居る小さな母子の犬の黒光りする膚の上に、桜の花片が二つ三つほろ/\と....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
鉢巻をする者、すっかり面白がって、わいわい言う騒ぎ――。 いずれを何れ二つ巴 長い廊下に部屋べやの障子がすっかり閉まって、しんとした静けさ――。 ....
旅愁」より 著者:横光利一
思えないながら、今見れば少しは前とは感慨も違うであろうと思われた。彼の家の紋章は二つ巴だったが、西園寺家の紋章と同じなことを矢代は探りあてたとき、西の国の荘園と....
丹下左膳」より 著者:林不忘
火事装束の五人組は、最初からすべてを見守っていたもののように、雲竜一庭に会して二つ巴《どもえ》をえがいているその期をねらって、ああして忽然と現場に割りこんで来....