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二倍
「二倍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二倍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
輔はたった七十銭にこの本を売ったことを思い出した。が、やっと売《う》り価《ね》の
二倍、――一円四十銭に価切った末、とうとうもう一度買うことにした。雪の夜の往来は....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
の嫌疑を蒙っていた。それもまた実際仕かたはなかった。彼は家の焼ける前に家の価格に
二倍する火災保険に加入していた。しかも偽証罪を犯した為に執行猶予中の体になってい....
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
も、幾つかの短篇を書いていた。恐らく未完成の作をも加えたら、この集に入れたものの
二倍には、上っていた事であろう。当時、発表する意志も、発表する機関もなかった自分....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
所得倍増をとなえる足元から物価はどしどし上がっておるという状態であります。月給は
二倍になっても、物価は三倍になったら、実際の生活程度は下がることはだれでもわかる....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
たり見えたりし始めると、漁夫たちの力は急に五倍にも十倍にもなった。今までの人数の
二倍も乗っているように船は動いた。岸から打ち上げる目標の烽火が紫だって暗黒な空の....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
すだろう。お前のいうことは夙の昔に私が言い張ったところだ。愛は与えることによって
二倍する、その不思議を知らないのか。愛を与えるものは与えるが故に富み、愛を受ける....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
る生物が存在していたのであり、また一番初めに生物が地球上に現われたのは多分それの
二倍の年数ほども昔のことであろうというのである。それでインドの哲学者等が地球上に....
「しっかり者のすずの兵隊」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いやはや、なさけない。あのかわいいむすめが、いっしょにのっていてくれるなら、この
二倍もくらくても、ちっともこまりはしないのだが。」 こうおもっているところへ、....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
敵を破り、一回といえども著しい優勢をもって戦った事はない。有名なロイテンの如きは
二倍強、ロスバハは三倍の敵を撃破したのである。 しかしかくの如き大勝も既に研究....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
きの名人でげす。」 と出放題な事を云う。相性さえ悪かったら、主税は二十銭のその
二倍でもあえて惜くはなかったろう。 「余り高価いよ。」と立ちかける。 「お幾干で....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
たい》の出た、頭の大きい、鼻のしゃくんだ、黄色い顔が、その長さ、大人《おとな》の
二倍、やがて一尺、飯櫃形《いびつなり》の天窓《あたま》にチョン髷《まげ》を載せた....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
故郷の雛によく肖た、と思うと、どの顔も、それよりは蒼白くて、衣も冠も古雛の、丈が
二倍ほど大きかった。 薄暗い白昼の影が一つ一つに皆|映る。 背後の古襖が半ば....
「古狢」より 著者:泉鏡花
、めくれ下り、黒い目金と、耳までのマスクで、口が開いた、その白い顔は、湯葉一枚を
二倍にして、土間の真中に大きい。 同時に、蛇のように、再び舌が畝って舐め廻すと....
「競馬」より 著者:犬田卯
を起して、俺だって人間だ、馬券買って悪かろうはずはあるめえ! みごとに五円札を
二倍にも五倍にもして帰って来る者があったのである。そうした事実が――これこそまさ....
「西航日録」より 著者:井上円了
u)峰(二万四千十五フィート) 以下これを略す。しかして、いずれもわが富士山の
二倍以上の高山なれば、余一句をつづりて、 喜麻拉亜が富士山などゝ笑ひけり 後に....