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二元論
「二元論〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二元論の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
※は蒼天にある二個の小隙を埋めることを忘れたと言われている。かくのごとくして愛の
二元論が始まった。すなわち二個の霊は空間を流転してとどまることを知らず、ついに合....
「満願」より 著者:太宰治
を好んだ。私もそのほうを語るのが、気が楽で、話がはずんだ。お医者の世界観は、原始
二元論ともいうべきもので、世の中の有様をすべて善玉悪玉の合戦と見て、なかなか歯切....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
るか。徹底的物質論者である彼はそういうものを物質以外の世界から借用して来るという
二元論的態度はどうしてもとれなかった。従って当然の必要から彼は意志の根元を彼の元....
「科学論」より 著者:戸坂潤
・ミル、E・デュルケム、K・マルクスなどを之に数えている。之に対して、方法論上の
二元論を採る例は、R・シュタムラーやG・ジンメルの場合だという(P. Andre....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
論的・歴史観を呪わざるを得ない。彼はE・トレルチの、精神と自然との――公平な――
二元論にさえ反対する。唯物史観に於ける社会の上部構造などという範疇は――この言葉....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
ということだと云うのである。 処で、観念論的存在論の一つの原理的な作用は、夫が
二元論に関わる。 論理学に於て、観想的世界観又は観念論的存在論に相当するものは....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
多くの観念論の特色である形式主義に他ならないが、形式主義は必然的に内容と形式との
二元論に陥るか(例えばカント)、又は両者の広義の調和説に陥る他はない(例えばアリ....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
ったが、大体想像はつくだろう。普遍人間的なものに対する、又文芸に対する、こうした
二元論(乃至は多元論)は、全く彼の自由主義者的な「政治」理解の制限から来るのであ....
「辞典」より 著者:戸坂潤
象界としての道徳の世界に与えた。理論的な経験の世界と倫理的な実践の世界とがかくて
二元論的に対立する。両者は判断力批判(第三批判)を俟たなければ統一され得ない、両....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
を求めた。しかし自由を現象界から駆逐して英知的の事柄としたのでは、一般にカントの
二元論となり終わり、われわれの意識を超越した英知的性格の行為にわれわれが責任を持....
「『心理試験』を読む」より 著者:平林初之輔
る。日本の文壇で執拗《しつよう》に信じられている純文学と通俗小説とのような素朴な
二元論は今や存在理由を失いつつあるといってよかろう。この意味で私は探偵小説の個性....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
て、「彼の世」こそわれらの誠のふる郷とする世界観がたしかであると思われます。私は
二元論でさしつかえないと思います。これらのことは今は私の心持ちだけに止めておきま....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
〉の私と呼ぶことには差支はありません。しかし、それはよく誤解されますから、霊肉の
二元論でないことを注意して下さい。私は時間の上に延び上る私と、空間の上に拡がる私....
「再び「科学の歴史的社会的制約」に就いて」より 著者:戸坂潤
はない。尤も又、ただ単に相違の指摘に止るならば、区別しっ放しであるならば、それは
二元論となる。実際には区別された二つのものは一つのものに媒介されねばならない。同....
「認識論としての文芸学」より 著者:戸坂潤
れば専ら自然科学の認識論か、さもなくば精々自然科学と社会(文化・精神・)科学とを
二元論的にしか処理出来ない認識論であった。――処で今度は、この認識論が、唯物論的....