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二十年
「二十年〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二十年の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、おれ自身を折檻《せっかん》しているような心もちがした。それも無理はない。おれの
二十年の生涯《しょうがい》は、沙金のあの目の中に宿っている。だから沙金を失うのは....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
に安んじた今日、――或はこの孤独に安んずるより外に仕かたのないことを知った今日、
二十年の昔をふり返って見れば、彼を苦しめた中学の校舎は寧《むし》ろ美しい薔薇色《....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
された博徒|松五郎《まつごろう》の乾児《こぶん》になった。爾来《じらい》ほとんど
二十年ばかりは無頼《ぶらい》の生活を送っていたらしい。(註五)「木《こ》の葉《は....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
て、善悪とも先生の御意見を承りたいのでございます。と申しますのは、唯今からざっと
二十年ばかり以前、私はある思いもよらない出来事に出合いまして、その結果とんと私に....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
けました。するとまた凩《こがらし》の渡った時、わたしの心に閃《ひらめ》いたのは、
二十年以前の記憶です。わたしはこの記憶の中に、はっきり弥三右衛門の姿を捉《とら》....
「桃太郎」より 著者:芥川竜之介
いう所に過ぎない。女人自身のいう所をことごとく真実と認めるのは、――わたしはこの
二十年来、こういう疑問を抱いている。あの頼光《らいこう》や四天王《してんのう》は....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
さえすれば、どんな仕事でもいたします。」
「それでは今日から私《わたし》の所に、
二十年の間奉公おし。そうすればきっと
二十年目に、仙人になる術を教えてやるから。」....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
ょうけん》か、子でもない私を養うために、捨児の嘘をついたのでした。そうしてその後
二十年あまりは、ほとんど寝食さえ忘れるくらい、私に尽してくれたのでした。
「どう....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ん》の膳《ぜん》についた父や母にけさの出来事を話しているかも知れない。保吉もまた
二十年|前《ぜん》には娑婆苦《しゃばく》を知らぬ少女のように、あるいは罪のない問....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
に、火のついたハヴァナを啣《くわ》えながら、ぼんやり安楽椅子によりかかっていた。
二十年余りの閑日月《かんじつげつ》は、少将を愛すべき老人にしていた。殊に今夜は和....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
の家へ――本所の芥川家へ泊りに行った。「初ちゃん」はこう云う外出の時にはまだ明治
二十年代でも今めかしい洋服を着ていたのであろう。僕は小学校へ通っていた頃、「初ち....
「墓」より 著者:秋田滋
」に傍点」になって来るのでありましょう。 ところで、わたくしが愛していた女は、
二十年のあいだこの世に生きていたのであります。ただそれだけでした。そして彼女は永....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
て居るのではあるまいか。 私は、六畳、四畳半、三畳三間の、深川のアパートにもう
二十年も住んでいる。狭い上に訪客も多いので、疲れが休まらない。時折場所を換えては....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
闘員たると否とにかかわらずすべてを滅亡させる。私の住んでいた深川の清砂アパートは
二十年三月十日の空襲で全焼し、私はからくも生き残ったが、一時は死んだとのウワサが....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
辞書にない、新しい言葉の一つだったのである。僕は大きい表忠碑を眺め、今更のように
二十年前の日本を考えずにはいられなかった。同時に又ちょっと表忠碑にも時代錯誤に近....