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二叉
「二叉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二叉の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
輩は仕方がないからただ声を知るべに行く。下から一間ばかりのところで梧桐は注文通り
二叉《ふたまた》になっているから、ここで一休息《ひとやすみ》して葉裏から蝉の所在....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
柄の根元にはモントフェラット家の紋章が鋳刻されていて、引き抜くとはたしてそれが、
二叉に先が分れている火焔形の槍尖だった。しかし、兇行の際に現われた自然の悪戯は、....
「菜穂子」より 著者:堀辰雄
らせ息を切らしている少年の自分と、妙な具合に交錯しはじめた。 森の中程で、道が
二叉《ふたまた》になる。一方は真直に村へ、もう一方は、昔、明や菜穂子たちが夏を過....
「美しい村」より 著者:堀辰雄
庇のところまで一緒《いっしょ》に転がって来ては、そこから墜落すると同時に、さあと
二叉《ふたまた》に飛びわかれているのだった。同じ小鳥たちなのか、他《ほか》の小鳥....
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
。時々休んで何か捜すような様子をするかと思うとまた急いで下りて行く、とうとう枝の
二叉に別れたところまで来ると、そこから別の枝に移って今度は逆に上の方へ向いて彼の....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
に其の梢にするすると攀登った。南向の高い枝は既に紅い蕾を着けているので、彼は其の
二叉の枝を択んで折った。 何うするのかと見ていると、重太郎は其の枝を口に喞えて....
「こども風土記」より 著者:柳田国男
ないように思われた。しかし自分が鉤のある念棒を用いていたというためでなく、本来は
二叉に岐れた木の枝というものが、特別に霊の力があるもののように、我々の祖先には考....
「池袋の店」より 著者:山之口貘
のだ。ここではまたしばしば、窪川鶴次郎氏の姿を見かける。この界隈から少し離れて、
二叉の交番の手前の右横丁をはいったところには「象の子」という店がある。客の希望に....