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「二幅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二幅の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
間に古風な島台を飾りつけたり、何処からか持って来た箱のなかから鶴亀《つるかめ》の二幅対を取出して、懸けて眺《なが》めたりしていた。 「今度と云う今度は島ちゃんも....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
かなか得がたい品じゃが、家宝ででもござったか」 「へえい。代々家に伝わりました、二幅とない逸品でござりますので、かくうろたえているしだいでござります」 「いつご....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
間の方へ案内された。そこは十畳ほどの広い座敷で、長い床に大きな懸物《かけもの》が二幅掛かっていた。湯呑《ゆのみ》のような深い茶碗《ちゃわん》に、書生が番茶を一杯....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
せ給う基督とマリヤが呼吸く気勢に折々光り、それと向かい合った床の間に武士を描いた二幅の画像が活けるがように掛けてあるのが装飾といえば装飾である。 久田姫は立ち....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
を果しつつあるのだな。 「ごらん下さいませ、あなた様の御不在中、田山先生に、あの二幅を描いていただきました」 「ははあ、鍾馗か……風景は、あれは勿来の関だな」 ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》頭巾でもなし、縞物の与作頭巾でもない。 大阪風の竹田《たけだ》頭巾でもなく、二幅錣《ふたのしころ》の宗十郎頭巾でもない。 直角的な山岡頭巾でなく、曲線的の....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
ちがい棚などが目苦《めまぐるし》いまでに並べたててあり、床《とこ》の間《ま》には二幅対《にふくつい》の絹地の画、その床を背にして、久佐賀某は机の前に大きな火鉢を....
大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
造ったものらしく木の香のするほど真新しい。横手にこじんまりとした床の間があった。二幅の軸が掛かっている。 「はてな?」と呟いて専斎はその軸へじっと眼を注いだ。「....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
ございます。 最初の御前揮毫の節に、当時の皇后宮太夫三室戸伯爵を通じて、改めて二幅双か、三幅双の揮毫を、上納申し上げるようにという御用命を拝したのでございまし....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
広いものであったのが、不断着のままで働くようになって、うしろはいらぬから、それが二幅になりまた一幅にもなった。それでも甲斐々々しい仕事ができないので、襷掛けでも....