二度三度[語句情報] »
二度三度
「二度三度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二度三度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「貉」より 著者:芥川竜之介
母親は、傍にねている娘に、あの声は何じゃと云った。始めは寝たふりをしていた娘も、
二度三度と問いかけられると、答えない訳には行かない。人の声ではないそうな。――狼....
「星座」より 著者:有島武郎
時の癖として、園はその樹を見るごとに、右手を鍵形に折り曲げて頭の上にさしかざし、
二度三度物を打つように烈しく振り卸《お》ろすのだった。
その夕方も園は右手を振....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
この地上にあろうとは思われない。折竹はなんだか揶揄われるような気がして、ついに、
二度三度と手紙がきても行かずにいた。 と、つぎに昨日のことだった。ふいに、男女....
「火薬船」より 著者:海野十三
あらわし、なかなか芝居に骨がおれる丸本は、竹見の手首を縛った麻紐を、ぐっと手元へ
二度三度|手繰った。 すると竹見の身体は、とんとんと前へとびだして、つんのめり....
「怪塔王」より 著者:海野十三
いいが、しばしばあぶない目にあわされ、いよいよこれで命がなくなるかと思ったことも
二度三度とつづき、あげくの果、どうやらこうやら鉄の檻をくぐりぬけた帆村と一彦少年....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
杉田の肩をやわらかく下におさえつけているではないか。 低い声は、杉田の頭の上で
二度三度とくりかえされた。 彼はいわれるままに静かに手足を伸ばした。 一たい....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
の苦痛を以て、御身に謝罪いたし候 月 日清川|通知 お通殿
二度三度繰返して、尉官は容を更めたり。 「通、吾は良人だぞ。」 お通は聞きて両....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
はッと思って息を引いたが、いかんともする事|叶わず、依然としてそのあッと云う体。
二度三度、五度六度、やや有って息を吸取ったと見えましたが、お雪の体は死んだものの....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
から、そのあとはもう興味索然とするような、そんな薄っぺらなものではない。こうして
二度三度四度とやりかえすために、本書にインキで書き込むことは控えて、なるべく軟い....
「水鬼」より 著者:岡本綺堂
一度は顔出しをしなければならない。それも一度ですむのはまだいいが、相手によっては
二度三度、あるいは泊まって来なければならないというようなところもある。それも町の....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
かに首と、弱った頭をもたげるにすぎなくなってしまうのです。 ところが、それから
二度三度と現われた父の手は、いつも決まって、船底に続く鉄梯子の方角のほうから現わ....
「魚妖」より 著者:岡本綺堂
視ると、ひとつ残っていた、かの大うなぎは不思議に姿を隠してしまった。一度ならず、
二度三度の不思議をみせられて、吉次郎はいよいよ怖ろしくなった。かれは夏のみじか夜....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
れをきっぱりと断わることが出来るであろうか。普段から頭のあがらない伯母様の催促が
二度三度と重なったら、その結果はどうであろうか。それを思うと、お菊は気が気でなか....
「画道と女性」より 著者:上村松園
をさしてくれなどと言って来られるが、たいてい返事も上げないことにしている。それも
二度三度となると返事をしないわけにも行かないこともあるが、京都や大阪あたりの人達....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
二というのに全盛の色もやや褪せて、素顔では、と源平の輩に遠慮をするようになると、
二度三度、月の内に枕が上らない日があるようになった。 扱帯の下を氷で冷すばかり....