二度見[語句情報] » 二度見

「二度見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二度見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
しまいそうな、大男が悠然と現われた。舗道へ降りると、ちょっと足もとのあたりを一、二度見廻していたが、すぐ折竹に気がついたらしく、 「やあ大将、拾っといてくれた....
白蛇の死」より 著者:海野十三
中から、山名国太郎という大学生がお由に似た年頃の婦人を自室に引き入れている所を一二度見た者があるという報告であった。 お由事件の為に特設された捜索本部は、この....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
た。出てゆく時に、照之助は救いを求めるような悲しい眼をして、奥様とわたくしの方を二度見かえりましたが、わたくし共にも今更どうすることも出来ないので、唯だまって見....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
時は知りませんでした。 問 先頃其死体を埋葬地より掘り出し証人は見たか。 答二度見ました。前の日のは間違えたもので、次の日の分を警察で見ました。布片の残りと....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
日本で二ヶ月と云えば節季を二度したらしまいやさかいな。あの、お米やのおやじの顔を二度見る事は、またたく間なんだがね。 西洋は雨が降らん。日本を出てからまだ雨ら....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
ちらかや。) と、早や此方ざまに参った駅夫どのに、くるりと肩ぐるみに振向いた。二度見ました。痩和尚の黄色がかった青い長面。で、てらてらと仇光る……姿こそ枯れた....
氷河」より 著者:黒島伝治
して、廊下を奥へ早足に這入って行った。 伝令は嵩ばった防寒具で分らなかったが、二度見かえすと、栗本と同じ中隊の一等卒だった。毛の房々しい帽子をぬいで手のひらで....
投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
たネ。マスクかけて、マフラーにうずまッてたんじゃ、見分けがつかねえや。コチトラ、二度見かけただけの顔だから」 「そうかい。よく分ったな」 「からかいなさんな。第....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
な?」 「巣とはお口のお悪いことね。でも、ええ、お妾さんの巣のようだわ」 「一、二度見かけたことがあるが、そのお妾さん美い縹緻だった」 「そこでちょっかいを出そ....
地虫」より 著者:小栗虫太郎
る。それに、いつも来るときは、こっそりと裏口から入って来て、帰ってゆく後姿は一、二度見られたけれど、それがどんな顔か、誰も真実確かめたものはなかった。 しかも....
鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
支那少年とが同乗していた。 僕は以前上海の地で、英国の水師提督エリオットを、一二度見かけたことがあって、容貌風采を知っていたので、馬車中の老将校がエリオットで....
濁酒を恋う」より 著者:佐藤垢石
候。乍去宿酔なし、地酒は調合ものにてあしく候。此間江戸より酒一樽船廻しにて富士を二度見候ゆへ二望嶽と名付置申候。本名は白雪と申候。至って和らかにて宜敷聯句馬生に....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
赭くするような子をお友達に見つけたの。名前は線二って言うの。 加奈子は線二を一二度見た。お京さんはフランス人形と並べてその子の顔におしろいを塗ってやっていた。....
虹と感興」より 著者:上村松園
そうといっても、とても出来そうには思えません。 帝展は東京と、こちら(京都)で二度見ました。いろいろ婦人画も見ましたが、善悪可否は別としまして、あの濃彩にはた....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
んの子だから綺麗なのも当然だが、――僕は公高は見ないから知らないが、母夫人の方は二度見ましたよ。一度は乗馬倶楽部で、飾り気のないさっぱりとした乗馬服を着て栗毛の....