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「二日月〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二日月の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
食魔」より 著者:岡本かの子
つろにするうまさがお絹の胸をときめかした。物憎いことには、あとの口腔に淡い苦味が二日月の影のようにほのかにとどまったことだ。この淡い苦味は、またさっき喰べた昼食....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
けれども、また触れば切れそうなあの鋭さと、冷たさ。わたしは、お月様のうちで、あの二日月がいちばん好きでございます」 お雪の眼は、山から月にうつりました。 な....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
をしなかった覆面を解いて、夜の高原の空気に面《おもて》を曝《さら》すと、西の空に二日月《ふつかづき》がかかっているのを見るばかりで、前後も、左右も、みな山であり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
とって現われるのであります。 ですから、四日月よりも三日月がよく、三日月よりも二日月に至って、まさに月というもののあらゆる粋《いき》と美とが発揮されてくるので....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、とある土橋の橋杭へ結びつく。 その頃、もうトップリと日が暮れて、猫の眸に似た二日月が、水の深所に澄んでいた。 「じゃ、弦之丞様、今夜はちょっとお暇をいただい....
三国志」より 著者:吉川英治
け通った馬蹄の音は敵か、味方か」と、大声で訊ねた。 答えはなく、五人の歩哨は、二日月の下に、碧い血にまみれていた。 孫堅は、それを見るなり、 「やっ。さては....