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二月堂
「二月堂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二月堂の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
ずかしい顔で、眉の濃い竹村があぐらをかいていた。本がひろげたままおいてある卓が、
二月堂だった。長方形の、朱漆で細い線のめぐらされているその卓さえ、気がきいている....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
この興福寺の寺中に跡だけは残っているのでござりまする。春日様へ御参詣をなすって、
二月堂の方から大仏へおいでになり、それからいらっしゃいますとそこに道場だけは残っ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いさっぱりした気分で、例の茶の間に坐って小説よんでいたら、青い八つ手の葉かげが、
二月堂の机(黒塗りでふちに赤い細い線の入っているの)の上に青くちらついて、ちょっ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
で、炭をはずんだところ来ず、わたしが珍しい納りかたとなりました。机とかぎの手に、
二月堂机をおいて。大したもので、お正月のようです、膝にも毛布かけて。その毛布たる....
「野萩」より 著者:久生十蘭
す》は来ない。離屋になった奥の居間へ行ってみると、竹の葉影のゆらぐ半月窓のそばに
二月堂が出ているだけで、あるじのすがたはなかった。 窓ぎわに坐って待っているう....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
重咲のものもある。そして秋の花には往々多少は枝に葉を伴っている。 大和奈良公園
二月堂の辺にもこのサクラが一本あった。奈良ではこれを四季《シキ》ザクラと呼んでい....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
うして宗教、すべて欠くるところがなかった。 わたくしは中門前の池の傍を通って、
二月堂への細い樹間の道を伝いながら、古昔の精神的事業を思った。そうしてそれがどう....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
読める人がもう多くなったお蔭であった。わたしなども今から二十年ほどまえに、奈良の
二月堂に献上するという青竹の束が、あの交通の多い街道の片脇に、いくらもころがして....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
室《はなれ》になっている奥の居間へ行ってみると、竹の葉影のゆらぐ半月窓のそばに、
二月堂《にがつどう》が出ているだけで、あるじはいなかった。 壁際に坐って待って....