二朱金[語句情報] » 二朱金

「二朱金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二朱金の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
しには成りますまいが、一杯召上って」 甚「ヘエ有難う、ヘエ」 と開けて見ると二朱金で二個《ふたつ》。 甚「是はお賤さんたった一分《いちぶ》で」 賤「はい....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
に幾たびか銭相場引き上げの声を聞き、さらにまた小判買いの声を聞くようになった。古二朱金、保字金なぞの当時に残存した古い金貨の買い占めは地方でも始まった。きのうは....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
へ流れ出して行き、そのかわりとして輸入せらるるものの多くは悪質な洋銀であった。古二朱金、保字小判なぞの当時に残存した良質の古い金貨はあの時に地を払ってしまったこ....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
っかり財産家になってしまったんです。お正月のお座敷へ行くのに、正物の小判や一朱金二朱金の裾模様を着たというんでしたわ。それでお座敷から帰ると、夏なんか大した椅子....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
林檎《りんご》の実ったのが目のさきにある奥二階の明り窓のきわで、小粒《こつぶ》や二朱金《にしゅきん》を金盥《かなだらい》で洗ったり、糠《ぬか》袋のような小さい麻....
南国太平記」より 著者:直木三十五
てた。洋館を作った。洋物を買った。そうして、最後に、彼の手元には、小判はおろか、二朱金一つしかないことさえできるようにもなってしまった。 士《さむらい》は、鍔....
『七面鳥』と『忘れ褌』」より 著者:佐藤垢石
た。 『おっさん、道の悪いのにご苦労だが酒を少々買ってきて貰いたい』 懐中から二朱金をとり出して、八蔵爺さんに渡して、 『一升あれば充分だ。それに、ちょっと摘....
明治の五十銭銀貨」より 著者:服部之総
もちゃんと整って、間然するところがない。当年の日本にも、保字金《ほうじきん》や古二朱金のような、世界のどこに出してもひけをとらぬ良品位の金貨はあるが、安政二分判....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
探したが、何にも無え様だ」 若「御冗談を仰しゃっては困りますナ、女郎|衆は継針や二朱金では有りませんから、ピョコ/\畳の間に隠れることはありませんのに、煤掃でも....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、只今、只今」と啓之助。 外の声に急かれながら、紙入れを取り出して、せかせかと二朱金の粒を撰り、 「それ、これは当座じゃ」 と宅助の手へ握らせたが、出し惜し....