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二条
「二条〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二条の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
はとうの昔、どちらか死んでいた事であろう。……)
頭を上げると、太郎はいつか
二条を折れて、耳敏川《みみとがわ》にまたがっている、小さい橋にかかっていた。水の....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
と》鋭い御批判を御漏《おも》らしになるばかりでございます。
いつぞや大殿様が、
二条大宮の百鬼夜行《ひゃっきやぎょう》に御遇いになっても、格別御障りのなかった事....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
戦いの勝利を報じた上、直之の首を献上《けんじょう》した。(家康は四月十七日以来、
二条《にじょう》の城にとどまっていた。それは将軍|秀忠《ひでただ》の江戸から上洛....
「竜」より 著者:芥川竜之介
眺めますと、見渡す限り西も東も一面の人の海で、それがまた末はほのぼのと霞をかけた
二条の大路《おおじ》のはてのはてまで、ありとあらゆる烏帽子《えぼし》の波をざわめ....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
眼《おんめ》のどこかに、陽気な御気色《みけしき》が閃《ひらめ》きました。
「一条
二条の大路《おおじ》の辻に、盲人が一人さまようているのは、世にも憐《あわ》れに見....
「星座」より 著者:有島武郎
、一町にあまる広々とした防火道路を見渡した。いつでも見落すことのできないのは、北
二条と大通りとの交叉点《こうさてん》にただ一本立つエルムの大樹だった。その夕方も....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
、宵《よい》ながら門《かど》を鎖《とざ》した敦賀の通《とおり》はひっそりして一条
二条|縦横《たてよこ》に、辻《つじ》の角は広々と、白く積った中を、道の程《ほど》....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
ちに残っていて麗に咲いたのが……こう目に見えるようで、それがまたいかにも寂しい。
二条ばかりも重って、美しい婦の虐げられた――旧藩の頃にはどこでもあり来りだが――....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
れたが、品を崩して、お手玉持つよ、と若々しい、仇気ない風があった。 「何や、この
二条の蛇が可恐い云うて?……両方とも、言合わせたように、貴方二人が、自分たちで、....
「橋」より 著者:池谷信三郎
いた。一つの黒い人影が、ぼんやりと欄干から下の街を見下していた。大通りに沿って、
二条に続いた街灯の連りが、限りなく真直ぐに走って、自動車の頭灯が、魚の動きにつれ....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
にわかに颯と暗くなって、風が身に染むので心着けば、樹蔭なる崖の腹から二頭の竜の、
二条の氷柱を吐く末が百筋に乱れて、どッと池へ灌ぐのは、熊野の野社の千歳経る杉の林....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
乙女等五七人、それなるべし。尽く顔に蓋して、露を厭える笠のなかより、紅の笠の紐、
二条しなやかに、肩より橋の上にまがりて垂れたり。 小親も寝たらむ、とここにて思....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
思うくらいでしたよ。灯に近いと、赤くほてるような気がするのと同一に。 もう私、
二条針を刺されたように、背中の両方から悚然として、足もふらふらになりました。 ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
。 はっと袖で囲ってお縫は屋根裏を仰ぐと、引窓が開いていたので、煤で真黒な壁へ
二条引いた白い縄を、ぐいと手繰ると、かたり。 引窓の閉まる拍子に、物音もせず、....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
い土地ですから、菖蒲杜若が到る処に咲いています。――今この襖へでも、障子へでも、
二条ばかり水の形を曳いて、紫の花をあしらえば、何村、どの里……それで様子がよく分....