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二枚目
「二枚目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二枚目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
ときに、自分は見る影もない姿に壊れていた。胸から噴き流れて凝った血が、岩となって
二枚目の肋骨としてまわりに張っていた。 自分は泣く泣く砂礫を拾って、裸骨へ根気....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、死んだ亭主と違って、おまきは情けぶかい方で世間の評判も悪くない。誰袖はお職から
二枚目の売れっ妓《こ》で、去年の二の酉《とり》が済んだ頃から入谷の寮に出養生をし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
勢と云って繁昌した店がありました。そのお化けの伊勢屋とは違います。……そこの店で
二枚目を張っているお駒という女が変死した。それがこのお話の発端です」 お駒はこ....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
を噛み切って死んだその角力取りは、御実家で特に贔屓にしていらっしゃる、茨木部屋の
二枚目で、小松山という将来のある力士だったそうでございます。 ――いや、どうも....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
大抵お腰元なんぞに嫌われる敵役で、白塗りの色男はみんな素面ですよ。あなたなんぞも
二枚目だから、顔を赤くしていないんでしょう。あははははは。」 こんなことから話....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
命まで打込んで、上り藤の金紋のついた手車で、楽屋入をさせたという、新派の立女形、
二枚目を兼ねた藤沢浅次郎に、よく肖ていたのだそうである。 あいびきには無理が出....
「雪の夜」より 著者:小林多喜二
だまっていた。虱はそれから少し今来た方へもどりかけたが、すぐやめて、今度は襦袢と
二枚目の着物との間に入っていった。 龍介はポケトから五十銭一枚をとりだして、テ....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
間の早くたつことはありません。もうくさりかたびらは一枚でき上がりました。こんどは
二枚目にかかるところです。 そのとき猟のつの笛が山のなかできこえました。エリー....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
、東京へ戻った時だけ、遊んで貰うわけには行かないか」 その場所エッちゃんは十両
二枚目で、ここで星を残すと入幕できるところであった。私はなんとなくエッちゃんを励....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
は寥々として虚しい。 いつてみれば源太は万葉調で四郎は新古今調だ。 四郎型が
二枚目にしたてられて主人公となる世界においては源太型は常に赤面にしたてられて敵役....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
した。 その後、一旦奥に行ってまた店に出てみますと、もうガラス戸を一枚外して、
二枚目に手を掛けようとしているではありませんか。私は跣足で飛びおりて「それだけは....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
われたお方を見れば、この方は役者の方だ、お囃子方だ――それも、役者のかたであれば
二枚目、三枚目、といったことまで、一と目で分るほどでございます。こうした訳でござ....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
地下水の霧を含んだ冷い風が、いやに堅坑の底まで吹き降ろして来る朝のことであった。
二枚目の伝票を受取ったお品は、捲立の底で空になって降ろされて来た炭車を取ると、そ....
「私の洋画経歴」より 著者:小野佐世男
チイに扮する、グレース・カーナドに恋のほのほを燃し夢うつつであった。それに現れる
二枚目フランシス・フォード、絶対に強力な快漢ロローに扮するエデー・ポロなぞが黄金....
「わが母を語る」より 著者:上村松園
あてて、紙でくるくるとまく。のしはすぐ箱にしまう。紙は上の一枚は反古紙にするが、
二枚目の紙は折目があったらこてで延ばし、同じ大きさの紙と一緒にして棒の芯にまいて....