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二梃
「二梃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二梃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
早くない。幕のかげから見える頭数は五十人もいるかと思われる。橋をくぐる前までは、
二梃三味線で、「梅にも春」か何かを弾いていたが、それがすむと、急に、ちゃんぎりを....
「野分」より 著者:夏目漱石
した。母は家を畳んで村へ引き込みました。……」 向《むこう》から威勢のいい車が
二梃束髪《にちょうそくはつ》の女を乗せてくる。二人はちょっとよける。話はとぎれる....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
り》には、太い頑固な銀杏の根っ子が、幾重にも厳重に取り巻いていて、中々鍬の一梃や
二梃持って来ても掘り出す事は出来そうに見えませんでした。まるで銀杏の樹がこれは俺....
「竇氏」より 著者:田中貢太郎
日を待っている女の家では驚惶して吾も吾もと女を夫の家へ送った。 その時南の家へ
二梃の輿が来た。※者は出て往って聞いた。 「何方様でございましょう」 後の輿か....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いはい」 「代官屋敷の者だがな、これから一時《いっとき》ばかりたってでよろしい、
二梃の早駕籠を東川の辻に待たして置いてくれ」 「はい畏《かしこ》まりました、畏ま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れより先、そこに待合わせていたらしい一行がある。 この一行はかなり物々しい乗物
二梃に、数名の従者と、それが槍一筋を押立てていることによって、庶民階級の旅人でな....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
しゅう》に因州《いんしゅう》、土州《としゅう》に信州《しんしゅう》、早籠《はや》
二梃だ。いってやんねえ」
ノッソリ現われたのは、坊主あたまにチャンチャンコを着....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
んだ。君は弁護士と言ったね、それくらいのことはわかってるだろう。」
マリユスは
二梃のピストルを取って、上衣のわきのポケットの中に入れた。
「それじゃふくらんで....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
りあるいは縦列をなして進んだ。各一群はそれぞれ隊長を選んでいた。公然とピストルを
二梃《にちょう》身につけてる男が、あたかも閲兵でもするようなふうで駆け回り、各列....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
場所としておいたアンジョーラの傍の舗石《しきいし》の上に、仕込み杖《づえ》や銃や
二梃《にちょう》の騎馬用ピストルや一梃のポケット・ピストルなどを、まるで武器箱を....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
平屋建ての一軒であった。 さてその夜は月夜であった。 その月光に照らされて、
二梃の旅駕籠が入って来た。 3
二梃の駕籠の着けられた家も、客を泊めるための家....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
垂れを下ろして――」
自分で、そういいながら、垂れを下ろしてしまった。七梃の中
二梃には、槍が立ててあった。
同じ、宿場の駕として、四人仕立のが、二人立の駕を....
「決闘」より 著者:神西清
はならんのだ。僕は闘うことを望む!」 沈黙が来た。士官ボイコが函からピストルを
二梃とり出し、一梃はフォン・コーレンの手に、一梃はラエーフスキイの手に渡った。そ....
「妾宅」より 著者:永井荷風
ろ》めをする時の手拭の包紙で腰張した壁の上には鬱金《うこん》の包みを着た三味線が
二梃《にちょう》かけてある。大きな如輪《じょりん》の長火鉢《ながひばち》の傍《そ....
「挿話」より 著者:徳田秋声
三も年が少なかったけれど、髪が薄い方なので、お化粧をするのに時間が取れた。蝋燭を
二梃も立てて一筋の毛も等閑にしないように、鬢に毛筋を入れているのを、道太はしばし....