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二様
「二様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ばらく置いて、武助もかたき討ちであると云い、茂兵衛もかたき討ちであると云う。この
二様のかたき討ちが同じ日の昼と夜とに起こったと云うだけで、双方のあいだに何の連絡....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
も》った。 「優しいことを申すよのう。恩賞として父の赦免を願うか」 この願いは
二様《によう》の意味で忠通のこころを動かした。第一は乙女の孝心に感じさせられたの....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
てゆくらしく見られて来たので、それに気がついた式部は今更にあわてた。それにはまた
二様の意味があった。第一には商売の妨げになることで、尊い行者がその信者と恋に落ち....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
式の通りに検視がすんで、死体はそれぞれに引き渡されたが、その下手人については
二様の意見があらわれた。紋七や一座の者どもの申し立てによって考えると、和解の酒盛....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
なことはなかったが、一六一四年に至って『神聖会議』の決議により、地球が公転自転と
二様の運動をするというコペルニクスの説は聖書の記すところと撞着するということにな....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
が別々に時間を隔てて二人を殺害したか、或は何等かの方法で同時に殺害したか、と言う
二様の立場から見る事が出来ます。ところが――、前者は、第二の屍体から流れ落ちた血....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
たずねるようなもので、なか/\知れそうもありません。元来この置いてけ堀というにも
二様の説があります。その一つは、その辺に悪旗本の屋敷があって、往来の者をむやみに....
「火星兵団」より 著者:海野十三
以上だ!」
と、蟻田博士は、いばって言った。
人間以上!――という言葉には、
二様の意味がある。わしは、すぐれた人間だというのか、それともわしは人間ではないぞ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
の題で出たのでまず安心した。僕は前に僕が話したようにするか、あるいは旧のままかと
二様の考えを持っていたのだ。雑誌は不許になったので見ることはできぬが、編集は守田....
「鐘ヶ淵」より 著者:岡本綺堂
にかたどって行かれるのであるが、それから先の判断がすこぶるむずかしい。その解釈は
二様にわかれて、ある者は果して鐘があったためだといい、ある者は鐘がなかったためだ....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
じようだんをいつたりしそうであつた。 新馬鹿大将というのと薄馬鹿大将というのと
二様の名まえもこの小屋で覚えたが、この両名が別人であつたか、それとも同じ人であつ....
「山椒魚」より 著者:岡本綺堂
慄した。 「それでも良心の呵責があるので、彼女は膳にむかうと、また起った。そこに
二様の判断がつくのです。」と、かれは更に説明した。「彼女が座敷へ戻るまでの間に、....
「妖怪学」より 著者:井上円了
し。これを分類するに、事実の上に考うる法と、これを説明する学科の上に考うる法との
二様あるべし。 まず、事実上の分類によるに、左の三種となるべし。 第一種、すな....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
のおのその霊ありて奇異の作用を現ずるなりと信じ、あるいは一身重我といいて、一身に
二様の我ありて、その一は一方に住止するも、他の一は他方に出入して奇異の作用を現ず....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
、余が実際哲学すなわち政教学を講ずるゆえんなり。 政教子曰く、およそ人には必ず
二様の見あるを要す。その見一様に偏すれば邪見となり、その見
二様の中を得れば正見と....