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二物
「二物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二物の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
な大家なら、なんでも自由にお作りになれるだろうと存じておりましたが――いや、天|
二物《にぶつ》を与えずとは、よく申したものでございます。」
平吉はしぼった手拭....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
けるなり云々、『大和本草』国俗狐を射干とす、『本草』狐の別名この称なし、しかれば
二物異なるなり」といい、『和漢三才図会』にも〈『和名抄』に狐は木豆弥《キツネ》射....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
は下女の人望をさえ妄《みだ》りに落す事を好まぬほどの人物である。 同一の空間は
二物によって同時に占有せらるる事|能《あた》わずと昔《むか》しの哲学者が云った。....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
く述べた後、諸方に蛇と蜥蜴が時々皮を蛻《ぬぎかえ》るを以て毎度若返るとし、昔この
二物と人と死なぬよう競争して人敗し、必ず死ぬに定まったと信ずるが普通なりと結論し....
「物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
ちがった判定を下す事になる。これでは普遍的の事実というものは成り立たぬ。また甲乙
二物体の温度の差でも触覚で区別できる差は寒暖計で区別できる差よりははるかに大きい....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
うち日暮れて見えぬを憂い、その樹の生えた山を抱えて飛び返るとて矢に中った時、この
二物を塗って疵《きず》癒え、楞伽平定後、獲た物を以て子分の猴卒どもに与え尽した時....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
た足利氏の世に成った『簾中抄』に孕女の忌むべき物を列ねた中に、鯉と野猪あり。この
二物乳多からしむと『本草』に見ゆるにこれを忌んだは、宗教上の制禁でもあろうか。 ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
ば、まったく精力と健康も必要だろう。それで本当にいい作品が出来れば幸いだが、天は
二物を与えずともいわれている。 それらの健康と太き神経なく、金持ちの応接室と聞....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
ば、まったく精力と健康も必要だろう。それで本当にいい作品が出来れば幸いだが、天は
二物を与えずともいわれている。 それらの健康と太き神経なく、金持ちの応接室と聞....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
那に起って、日本・朝鮮・安南等の隣国に及ぼし、インドやメキシコにも多少似寄った十
二物を暦日に配当した事あれど、支那のように方位に配当したと聞かぬ(拙文「四神と十....
「天草四郎の妖術」より 著者:国枝史郎
色流行の寛永年間として諸人に渇仰されたことは沙汰の限りでありました。 併し天は
二物を与えず、四郎は利口ではありませんでした。是を講釈師に云わせますと「四郎天成....
「魔像」より 著者:林不忘
らばんし》の玄蕃殿と悪口《あくこう》をたたいた。が、その万年平番士の大迫玄蕃、天
二物を与えずのたとえの通り、今だってそうだ、スポーツに凝って野球やラクビイの選手....
「学者安心論」より 著者:福沢諭吉
形を写すべけれども、かの一方の真をば写すべからざることもあらん。然るときは、その
二物の軽重緩急を察して、まず重大にして急なるものを写さざるべからず。 されば今....