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二番鶏
「二番鶏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二番鶏の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊の自筆」より 著者:田中貢太郎
し、それから用を達《た》して、座敷へ帰り、また横になって時刻を計っておると、もう
二番鶏の声がする、よし、好い時刻が来たぞと、急に寝衣《ねまき》を己《じぶん》の褞....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
溜息を吻《つ》きながら眠らずして夢を見ている内に、一番|鶏《どり》が唱《うた》い
二番鶏が唱い、漸く暁《あけがた》近くなる。 「寧《いっ》そ今夜《こよい》はこのま....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
かしら》とあれば、かぶり物を二つ取り合せ、武家冑、老懸公家と附けたるなり。『俳諧
二番鶏』元禄十五年印本了我撰、前「下妻と八重に打ち合ふ春の風、一林」付「一枚さし....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の風が身に沁《し》みるという風情をして見せると、
「寒かあ寝なな」
一番鶏か、
二番鶏の音が、関のこなたで声高く聞える。
「お先へ御免よ」
お蘭どのが、みえも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
橋の宿場|外《はず》れの旅籠屋の、だだっぴろい陰気な座敷の一間で、眼のさめた時に
二番鶏がしきりに鳴いていました。 「まだ寝ないのか」 竜之助が驚かされたのは、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
さんがまた指図をしたので、婆は再びコケッコーと鶏の啼く真似をしたら鬼どもは、もう
二番鶏だと言いました。地蔵さんが三べん目の指図に婆がコケッコーとやると、鬼どもは....
「海神に祈る」より 著者:田中貢太郎
ゃ、そう早くもいくまいが、緒口が立てば大丈夫じゃ」 六 権兵衛は
二番鶏を聞いて起きた。其の晩は夕凪で風がすこしもなかったので、寝苦しくておちおち....
「最後の一句」より 著者:森鴎外
て寝がえりをしたが、目はさめなかった。 三人の子供がそっと家を抜け出したのは、
二番鶏の鳴くころであった。戸の外は霜の暁であった。提灯を持って、拍子木をたたいて....
「健康と仕事」より 著者:上村松園
ということは、しばしばというよりは毎日のようなこともあった。 「はて、いつ一番鶏
二番鶏が啼いたのであろう」 私は画室の障子がだんだん白みを加えてゆくのを眺めな....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
る行燈も灯花に暗うなりにけり。 その夜は源太床に入りてもなかなか眠らず、一番鶏
二番鶏を耳たしかに聞いて朝も平日よりははよう起き、含嗽手水に見ぬ夢を洗って熱茶一....
「病牀苦語」より 著者:正岡子規
の籠を占領して居る。しかるに残酷なる病の神は、それさえも憎むと見えて、朝々一番鶏
二番鶏とうたい出す彼の声は、夜もねられずに病牀に煩悶して居る予の頭をいよいよ攪乱....