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二百十日
「二百十日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二百十日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
るものの、日ざかりはかえって真夏よりしのぎにくいくらいな残暑です。加うるに厄日の
二百十日がひとあらしあるとみえて、もよったままの降りみ降らずみな天候でしたから、....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
く生ったね」と、半七は赤いこずえを見あげた。 「いえ、もう遅いので……。ことしは
二百十日の風雨で散々にやられてしまいました」 嘉兵衛は先に立って二人を内へ案内....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
、騒ぐものは騒ぐ。私なぞは見物の方で、お社前は、おなじ夥間で充満でございました。
二百十日の荒れ前で、残暑の激しい時でございましたから、ついつい少しずつお社の森の....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。ときどきに人力車の提灯が人魂のように飛んで行くくらいである。 しかも其の時は
二百十日前後の天候不穏、風まじりの細雨の飛ぶ暗い夜であるから、午後七、八時を過ぎ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
う。まあ、吾家でも先月の三日に建前の手斧始めをしたが、これで石場搗きのできるのは
二百十日あたりになろう。和宮さまの御通行までには間に合いそうもない。」 その時....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
しめるのも、京都から毎年きまりで下って来るその日光例幣使の一行であった。百姓らが
二百十日の大嵐にもたとえて恐怖していたのも、またその勅使代理の一行であった。公卿....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ち受けるような態度をとって震えた。 「さあ、攻めるなら攻めて来い。」 もはや、
二百十日もすでに過ぎ去り、彼岸を前にして、急にはげしい夕立があるかと思うと、それ....
「大震火災記」より 著者:鈴木三重吉
、合計千七百回以上に上っています。 二 災害の来た一日はちょうど
二百十日の前日で、東京では早朝からはげしい風雨を見ましたが、十時ごろになると空も....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
…… 董、茅花の時分から、苗代、青田、豆の花、蜻蛉、蛍、何でも田圃が好で、殊に
二百十日前後は、稲穂の波に、案山子の船頭。芋※の靡く様子から、枝豆の実る処、ちと....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
平生の筆不精を知っている私は、別にそれを怪しみもしなかった。 廿九日、その日は
二百十日を眼のまえに控えて、なんだか暴れ模様の曇った日で、汽車のなかは随分蒸し暑....
「慈悲心鳥」より 著者:岡本綺堂
無事ではなかったことは、、九月二日の記事を見ても知られた。 九月二日。きょうは
二百十日の由にて朝より暴れ模様なり。もう思い切って宿を発つことにする。発つ前に○....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
きあうことのできる子供はいなかった。 日本海は九月の声をきくと急速に秋になる。
二百十日の嵐でも吹けば、再び夏に戻るということはない。私の海水浴だけはそれからも....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
あの松五郎の娘が、お玉だッたか」 「それで御座いますよ。その松五郎も運の尽きで、
二百十日の夜に浦賀の船番所の前を乗切る時、莨の火を見られて、船が通ると感附かれて....
「火に追われて」より 著者:岡本綺堂
の予覚もなしに大正十二年九月一日を迎えたのであった。この朝は誰も知っている通り、
二百十日前後に有勝の何となく穏かならない空模様で、驟雨がおりおりに見舞って来た。....
「御堀端三題」より 著者:岡本綺堂
来も少い。時々に人力車の提灯が人魂のように飛んで行く位である。 しかもその時は
二百十日前後の天候不穏、風まじりの細雨の飛ぶ暗い夜であるから、午後七、八時を過ぎ....