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「二目〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二目の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
者の一人である。こっちは唯の百姓である。その百姓に対して、彼は一目《いちもく》も二目も置いたような卑下《ひげ》した態度を取っている。どっちからいっても、よくよく....
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
左衛門も駈けつけて来た。 五郎三郎ももう隠す訳にも行かなくなって、盤の上の一目二目の争いから、分別盛りの侍がおとなげない刃物|三昧《ざんまい》をしたと思うな、....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
。突然、彼女の背後から現われ出たものは、華麗な衣裳こそ身につけているが、その顔は二目《ふため》と見られぬ、醜い邪悪なものだった。それが、いまも見るように、滝人の....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
様子をする、檀那寺の坊主、巫女などと同じ様子で、頼む人から一目置かれた、また本人二目も三目も置かせる気。昨日のその時なんか、九目という応接です。 なぜか、根性....
地球盗難」より 著者:海野十三
満足するのか。大隅ばかりではない。シュワルツコッフ博士すら、ウラゴーゴルに一目も二目も置いている有様がよく分った。ウラゴーゴルと握手をしているらしいのは、辻川博....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
までに、穴のあくほど見て置けば、あの世へ行ったその時に、娑婆の不思議はアバタ面、二目と見られぬものだったと、エンマ大王喜ばす、土産話になるだろう。――おや、来る....
碁の手直り表」より 著者:菊池寛
していても、せいぜい三目位だろう。 しかし、四五年前、直木と打ったとき、自分は二目しか置かなかった。だが、最近になって、直木は目に見えて進歩した。直木は、将棋....
火薬船」より 著者:海野十三
うしました。荷あげのはなしは?」 といった。ノルマン船長も、ポーニンには一目も二目もおいているらしい様子だ。ポーニンは、にやりと、うす気みわるいわらいをもらし....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
がら、隊員について沈没商船の方にむかった。 中にはいってみると、なるほど船内は二目と見られない。まるでバケツを四方八方から銃でうったようなみじめな姿である。こ....
ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
すがの彼も、年下でも、自分よりはずっと、思慮分別も知識も勝れたMさんには、一目も二目もおいていました。 けれども、やがてそのMさんも、半分さじを投げたような無....
河童小僧」より 著者:岡本綺堂
、荒縄を以て手足を犇々と縛られたまま投込まれたものと覚しく、色は蒼ざめ髪は乱れ、二目と見られぬ無残の体で、入水後已に幾日を経たのであろう、全身腐乱して其の臭気|....
生死卍巴」より 著者:国枝史郎
云ったように感じられた。しかし極東のカリフ様と呼ばれた、若い気高い侍には、一目も二目も置いていると見えて、物言いも物腰も慇懃であった。 「あの両眼がよくないのだ....
血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
。加藤清正や福島正則や、片桐且元というような人さえ、幸蔵主には恩顧を蒙り、一目も二目も置いていた。秀吉さえも智謀を愛して、裏面の政治に関与させ、懐中刀として活用....
二人町奴」より 著者:国枝史郎
母、それになった矢島局であり、そういう縁故があるところから、町奉行以下の役人達も二目も三目も置いていた。但しそのためにそれを利用し、藤兵衛決して威張りはしない。....
活人形」より 著者:泉鏡花
頭蓋骨は砕かれけん髪の毛に黒血|凝りつきて、頬より胸に鮮血迸り眼を塞ぎ歯を切り、二目とは見られぬ様にて、死しおれるにもかかわらず。なお先刻の腹癒に、滅茶々々に撲....