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二輪
「二輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
工』を演出する場合には、いつもいつもチユウリツプといふ、あのあちら的な花が一輪、
二輪、三輪、あまた花々の中にまじつて咲いてゐた。....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
◯けさの朝顔は、ことし植えた中で一番うつくしい空色と白とのしぼりが咲いた。これで
二輪目である。 ◯徳川さんの「自伝」をたのしく三十分ばかり読み、あと大事に次の日....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
したもので、五輪の塔とは云うけれども、地・水・火の三輪をとどむるだけで、風・空の
二輪は見当らなかったと云う。今ここに立っているのは其の三個の古い石である。 こ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
らずしーんとしていた。十日許りの間に庭の梅の木は主人のいないのも知らぬ気に一輪、
二輪|綻びかけていた。離座敷に通されて、梅の枝を見上げた時に、取逃がした日の事が....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
異常な光がチラリと岩角に落ちた、ふと見上げると、円い虹のようなものが、虚空の中に
二輪も、三輪も結ばれた、その輪の中に、首を貫ぬいて五、六丈もあろうかと思うような....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
刀を礪ぎぬ。 下 堅く妄想を捏して自覚|妙諦 腕を隠せし花一輪削り
二輪削り、自己が意匠の飾を捨て人の天真の美を露わさんと勤めたる甲斐ありて、なまじ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
由来私は政治家の死や何かにあまり悲しみを感じないが、名妓のなれのはてとか、役者、
二輪加師、落語家の死、あるいは難産しながら死んで行く画家のことを聞くと本当に心が....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
はそれさえ身に染みた。 床の間にも残ったが、と見ると、莟の堅いのと、幽に開いた
二輪のみ。 「ちょっと、お待ち。」 「何、」と襖に手を掛ける。 「でも、少し気に....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
志して来る途中、一処、道端の低い畝に、一叢の緋牡丹が、薄曇る日に燃ゆるがごとく、
二輪咲いて、枝の莟の、撓なのを見た。――奥路に名高い、例の須賀川の牡丹園の花の香....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
その日、その街道は大へんなにぎわいでした。てくてく歩く人、驢馬に乗る人、あるいは
二輪馬車、四輪馬車を走らす人、いずれも、お祭り気分で浮かれながらぞろぞろ行くので....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
いて、アーサとクリスチーナとマチアが中から出て来た。すぐそのあとに続いて、一両の
二輪馬車が着いた。気の利いた顔つきの男が御者をして、これと背中合わせに一人、ぼろ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
るのが役目であると、心を定めているかのように、駕籠の周囲を守っている。と、白々と
二輪の花が、今や一つになろうとした。しかしその時地を蹴るような、荒々しい音が手近....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
多津吉は、町の場末――件の搦手の方から、前刻尾づたいに上って来た。 竜胆が一
二輪。 小笹の葉がくれに、茨の実の、紅玉を拾わんとして、瑠璃に装を凝らした星の....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
復った。床の花瓶には彼の椿が生けてあって、手入の好い所為でもあろう、紅い花は已に
二輪ほど大きく綻びていた。彼女は其枝を持って出た。 「これ、御覧。お前さんに貰っ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
松林でしてね。や、翁草がずいぶん咲いていましたぜ。あの幅の広い林道を材木をつけた
二輪馬車がカラカラカラと通るのです。霧のような雲が流れてね。や、これは話が横道に....