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二重人格
「二重人格〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二重人格の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
た決して稀《まれ》ではございません。現に Dr. Werner 自身もその下女が
二重人格を見たそうでございます。次いで、ウルムの高等裁判所長の Pflzer と....
「ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
。 「あれは俺の空想が立たせた人影だ。俺と同じ欲望で崖の上へ立つようになった俺の
二重人格だ。俺がこうして俺の
二重人格を俺の好んで立つ場所に眺めているという空想は....
「Kの昇天」より 著者:梶井基次郎
好きな歌の一つなのです。それからやはりハイネの詩の「ドッペルゲンゲル」。これは「
二重人格」というのでしょうか。これも私の好きな歌なのでした。口笛を吹きながら、私....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
而して詐偽、窃盗、争闘等を事とせしも、一度男の像を破棄さるるに及び、その不思議な
二重人格は身体的にも消失せりと伝えらる。
「まさにそうなのです」とクリヴォフ....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
移した。 「ところが、驚いたことに、姉さんの犯罪にはその方法と動機とが、ちょうど
二重人格的な対比を示しているのです。あの蒙迷固陋な宗教観に引き換えて、犯行の実際....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
く。殺してやる! マヌエラがあの魔性のものに魅込まれたのでなければ、ああも奇怪な
二重人格をあらわすわけはない。と、知らず識らず、この入江の腐肉の気にさそわれてき....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
影は潜めて、彼の半面醜い陋劣な心事が赤裸々に現われて来るのだった。此の点では彼は
二重人格者であると云う事が云える。 表面的に事件が解決すると共に、神戸牧師は事....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
めて「星野の自分」が眼を覚まして活動しだしたといったような気もする。 軽微なる
二重人格症の症状とも言われるかもしれない。しかし、たとえばいろいろな月給生活者で....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
ろの、あの苛酷な人生の掟について深く執拗に考えない訳にはゆかなかった。私はひどい
二重人格者ではあったが、決して偽善者ではなかった。私の善悪両方面とも、いずれも飽....
「不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
、そして、秀才で、おとなしくて、ウブらしかったが、実際は、同じ不良少年であった。
二重人格で、もう一つの人格は、ふところにドスをのんで縁日かなんかぶらつき、小娘を....
「KからQまで」より 著者:寺田寅彦
か若干の「俳諧」がある。 五 盲や聾から考えると普通の人間は
二重人格のように思われるかもしれない。性格分裂者のように見えるかもしれない。時に....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
ありませんからね」 左枝の眼が、ほんのりと輝きを帯びてきた。 それが、まるで
二重人格のように、それまでの彼にはけっして見られなかった、一種異様な鋒鋩の閃きな....
「この握りめし」より 著者:岸田国士
る筈はないと思われた。 この連想は不幸にして、増田健次の職業的本能を刺激した。
二重人格という言葉が、その事件の当時、新聞にも使われていたところから、彼は、岡本....
「二重人格者」より 著者:小酒井不木
一 河村八九郎は今年二十歳の
二重人格者である。 第一の人格で彼は大星由良之助となり、第二の人格で高師直とな....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
るのではありませんか?」 「いいえ、発作中の事は全く知らないらしゅうございます。
二重人格とも違いますし、ジキルとハイドのようなのとも違います。余り変なので私の懇....