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「二重唱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二重唱の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
柿の種」より 著者:寺田寅彦
昭和五年三月、渋柿) * 桜の静かに散る夕、うちの二人の女の子が二重唱をうたっている。 名高いイタリアの民謡である。遠い国にさすらいのイタリア....
吠える」より 著者:宮本百合子
を引張って遠鳴きする。彼方の狂人も、それに応えては、心一杯ウォーイと繰返す。この二重唱が起ると私は、いつも、始めのうちは極めて渋い涙が、眼ではない、鼻柱の心のど....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
紙余り長くなく度数の方で加減いたしましょう。その方が便利でしょう? 私の愛好する二重唱の全曲とすれば、これはほんのほんの序曲というところですね。 七月二十三日....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
のような単純さ、明瞭さの殆ど古典的な美しさの中に、鏤ばめられて燦く明月の詩や泉の二重唱の雄渾なリズムは、どう云ったら、それを語りつくしたい自分が堪能するでしょう....
ムツェンスク郡のマクベス夫人」より 著者:神西清
だん朧ろめきながら、斜めに地上を照らしていた。台所の屋根からは、けたたましい猫の二重唱がひびいてきた。やがて、唾きをはく音や、腹だたしげな鼻息がきこえたかと思う....
美しい日本の歴史」より 著者:吉川英治
時代もこの映画が扱っている十八世紀ごろの日本にあった一組の男女を思い出して、つい二重唱に画面を観ていたせいなのだった。では日本版のそのラヴ・シーンとは何かという....