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二重顎
「二重顎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二重顎の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
なる。固めの方が肝腎だ。持ち場持ち場へ帰るがいい」足軽大将の居並んだ方へ、括れた
二重顎を刳くって見せた。 足軽大将は十六人の中八人がやおら立ち上がった。 横....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
、ほんのりと紅をさした頬、クローバ型に小さく締まった唇、可愛い恰好に透きとおった
二重顎まで、さながらに、こうした作り付けの人形ではあるまいかと思われるくらい清ら....
「便乗の図絵」より 著者:宮本百合子
髭をはやして外国語を話す紳士首相の姿をしていたり、さもなければ、でっぷり艷のいい
二重顎にふとって、白いバラなどを胸にかざった党首としてあらわれたりしている。 ....
「茶色っぽい町」より 著者:宮本百合子
の上に蜂雀通りの順序で現れると、私共は思わず笑い出してしまった。小柄な、くくれた
二重顎の一重瞼の眼付から笑う口許まで、ひどく陶器人形じみた顔付の澄子は、何とうま....
「或日」より 著者:宮本百合子
、私が紐育《ニューヨーク》の或大学寄宿舎に居た時日々顔を合わせたような、肥満した
二重顎の婦人達ばかり、スカートをパッと拡げて居るのである。 隠れ乍らも、私の心....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
が、四年ぶりで陽の目を見る。 今夜は、温かい、黄金の雨が降るであろう――お悦の
二重顎がぶるると顫えたが、早苗は、それを聴くと陰気そうな顔で黙ってしまった。 「....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
こう云ったのは男である。四十格好、大兵肥満、顔はというにかなり凄い。高い段鼻、
二重顎、巨大な出眼、酷薄らしい口、荒い頬髯を逆立てている。その上額に向こう傷があ....
「変身」より 著者:カフカフランツ
たり身体に合った紺色の制服を着ている。上衣の高くてぴんと張った襟の上には、力強い
二重顎が拡がっている。毛深い眉の下では黒い両眼の視線が元気そうに注意深く射し出て....
「妻」より 著者:神西清
それこそおかしいに違いない。もう久しく剃ってない鳩羽色の、まず牛蒡といった感じの
二重顎にも、飛びだした眼にも、息ぎれの様子にも、不細工な無精たらしい姿全体にも、....