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二階
「二階〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
二階の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
中年者《ちゅうねんもの》である。場所は日比谷《ひびや》の陶陶亭《とうとうてい》の
二階、時は六月のある雨の夜、――勿論《もちろん》藤井のこういったのは、もうそろそ....
「影」より 著者:芥川竜之介
に引き入れられたのか、急に憂鬱《ゆううつ》な眼つきになった。
……電燈を消した
二階の寝室には、かすかな香水の※《におい》のする薄暗がりが拡がっている。ただ窓掛....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ばし》にあった生稲《いくいね》へ一盞《いっさん》を傾けに行ったのです。所がそこの
二階座敷で、江戸の昔を偲《しの》ばせるような遠三味線《とおじゃみせん》の音《ね》....
「彼」より 著者:芥川竜之介
も好《い》い。彼は叔父《おじ》さんの家を出てから、本郷《ほんごう》のある印刷屋の
二階の六畳に間借《まが》りをしていた。階下の輪転機《りんてんき》のまわり出す度に....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
は彼にも変化のない訣《わけ》ではなかった。彼はある素人下宿《しろうとげしゅく》の
二階に大島《おおしま》の羽織や着物を着、手あぶりに手をかざしたまま、こう云う愚痴....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
あった。
渋谷《しぶや》の金王桜《こんおうざくら》の評判が、洗湯《せんとう》の
二階に賑わう頃、彼は楓の真心に感じて、とうとう敵打《かたきうち》の大事を打ち明け....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
ったのと、人数《にんず》も割に少かったのとで、思ったよりや感じがよかった。その上
二階にも一組宴会があるらしかったが、これも幸いと土地がらに似ず騒がない。所が君、....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
て間《ま》もない頃、やはり本所《ほんじょ》の松井町《まついちょう》にある、手広い
二階家へ住むようになっても、不相変《あいかわらず》晴れそうな気色《けしき》はなか....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
。「熱は?」「七度六分ばかり、――ゆうべはちっともなかったんですけれども」自分は
二階の書斎へこもり、毎日の仕事にとりかかった。仕事は不相変《あいかわらず》捗《は....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
妓館《ぎかん》の梯子段《はしごだん》を譚と一しょに上って行った。
僕等の通った
二階の部屋は中央に据えたテエブルは勿論、椅子《いす》も、唾壺《たんつぼ》も、衣裳....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
一
雨降りの午後、今年中学を卒業した洋一《よういち》は、
二階の机に背を円《まる》くしながら、北原白秋《きたはらはくしゅう》風の歌を作って....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
保吉は長ながと足をのばし、ぼんやり窓の外の雪景色を眺めた。この物理の教官室は
二階の隅に当っているため、体操器械のあるグラウンドや、グラウンドの向うの並松《な....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
一 支那の上海の或町です。昼でも薄暗い或家の
二階に、人相の悪い印度人の婆さんが一人、商人らしい一人の亜米利加人と何か頻に話し....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
入れて彼の胴巻を探るに、悲しやある事なし。気絶して其所に倒れんとするほどになり、
二階に駆け上りて裸になりて改めれどなし。泣く悲しむという事は次になり、ただ茫然た....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
し間をおいて一八〇二年に生れた。 一七九六年にミュースに移ったが、これは車屋の
二階のささやかな借間であった。一八〇九年にはウエーマウス町に移り、その翌年にジェ....