二階建て[語句情報] » 二階建て

「二階建て〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

二階建ての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
》と道一つ隔てた苔香園《たいこうえん》という薔薇《ばら》専門の植木屋の裏にあたる二階建ての家を借りる事になった。それは元紅葉館の女中だった人がある豪商の妾《めか....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
もうその建物の宏大もないのに胆《きも》をつぶしてしまった。不恰好《ぶかっこう》な二階建ての板家に過ぎないのだけれども、その一本の柱にも彼れは驚くべき費用を想像し....
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
々に出来る、温泉の人々は宿を閉し、番人一人残して里へ下りてしまうそうである、宿は二階建ての、壁も塗らない白木造りで、天椽《てんじょう》もない、未だ新しくて木の匂....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
つきぬけて、この市街では目ぬきな町筋に出ると、冬じゅうあき屋になっていた西洋風の二階建ての雨戸が繰りあけられて、札幌のある大きなデパートメント・ストアの臨時出店....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
打ち続く平地に盛り上った一つの瘤のような高まりの上に礎石を載せていた。天井の高い二階建ての洋館は、辺りの日本建築を見下すように見える。赤い煉瓦造りの壁面を蔦蔓が....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
る。時間はまだ早かったが、雪が降り出したのでここへ泊ることにして内へ入る。小屋は二階建ての頑丈なもので、どんな大雪のときにも埋って入れぬということはないであろう....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
も林かのように、茂っていた木々によって蔽われていた。木々を通して向こうに見える、二階建ての建物から華やかな笑いと、華やかな灯火とが洩れて来ていた。丸田屋の主人が....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
八重の姿が、閉扉の館の前に現われたのは、それから間もなくのことであった。 高い二階建ての館の二階へ、地上から梯子がかかってい、閉ざされている鎧のような雨戸が、....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
町であった。町の燈も冬霧に埋もれていた。 名古屋市西区児玉町、二百二十三番地、二階建ての二軒長屋、新築の格子造り、それが私の住居であった。 そこへタクシの着....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
、月の光に染められもせずに、黒々と線を引いていたが、その一所に小さい門を持った、二階建ての家が立っていた。その造りは貧しげで、かつ小さくて狭そうであった。これと....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
。同じヤマコを張るなら、高目に張る方がよいと、つい鼻の先の通天閣を横目に仰いで、二階建ての屋根の上にばかに大きく高く揚げたのだ。 そのように体裁だけはどうにか....
「画室談義」より 著者:上村松園
は十三歳であった。 画室は、母屋とは廊下続きの離れの形式になっており、南向きの二階建てで、東、西、南の三方は明り障子とガラス障子の二枚が嵌まっていて、北面だけ....
「墓地の殺人」より 著者:小酒井不木
、その街は比較的繁華な街であって、死人が立ち寄ったというＨ軒という西洋料理屋は、二階建ての白い洋風の建物で小さっぱりとした体裁を備えておりました。 私たちは刑....
「少年の食物」より 著者:木村荘八
ものです。――この叔父はなお細工ものが上手で、小さな木組をうまく扱って、そっくり二階建ての家などをこしらえていました。私はそれに真似て木をけずって軍艦をこしらえ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
して、山岳望中に入る。樹木の日光を遮るなく、汚水の諸方に滞留するあり。人家は多く二階建てなり。室内は土間のままにて床を張らず。別にシナ街あり、日本街あり、四百人....