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互
「互〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
互の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
かりになってしまう。しかも彼等は同じようにそれぞれ皆熱心に蟇口の中を検べている。
互に何か話し合いながら。
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写真屋の飾り窓。男女《....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
ながら、しばらく口をとざした。彼の論議が、もっともだと思われたのであろう。一同は
互に軽い頷きを交しながら、満足そうに黙っている。すると、その中で、鼻の高い顔だけ....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
うと、
「御姉様。」
「妹。」と、二人の御姫様は一度に両方から駈けよって、暫くは
互に抱《だ》き合ったまま、うれし涙にくれていらっしゃいました。髪長彦もこの気色《....
「影」より 著者:芥川竜之介
しい眼の底に微笑の色を動かしながら、ほとんど聞えないようにこう返事をした。
「お
互に『影』なんぞは、気にしないようにしましょうね。」
(大正九年七月十四日)....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ったような紳士でした。それが長い航海の間に、いつとなく私と懇意になって、帰朝後も
互に一週間とは訪問を絶《た》やした事がないくらい、親しい仲になったのです。
「三....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
って来た。彼は赤い篝《かがり》の火影《ほかげ》に、古代の服装をした日本人たちが、
互いに酒を酌み交《かわ》しながら、車座《くるまざ》をつくっているのを見た。そのま....
「河童」より 著者:芥川竜之介
第一この間あなたの話したあなたがた人間の義勇隊よりも、――一本の鉄道を奪うために
互いに殺し合う義勇隊ですね、――ああいう義勇隊に比べれば、ずっと僕たちの義勇隊は....
「彼」より 著者:芥川竜之介
て見ると、ほとんど議論にはならないものだった。しかし僕等は本気《ほんき》になって
互に反駁《はんばく》を加え合っていた。ただ僕等の友だちの一人、――Kと云う医科の....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
れない。――そんな事もふと考えられた。
「それがまあこうしていられるんだから、御
互様《おたがいさま》に仕合せでさあ。――だがね、牧野さん。お蓮さんに丸髷が似合う....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
様の産湯《うぶゆ》のために、飼桶《かいおけ》に水が湛《たた》えられている。役人は
互に頷《うなず》き合いながら、孫七夫婦に縄《なわ》をかけた。おぎんも同時に括《く....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
かさの中に、うす青く消えてしまう。
「こう云うのどかな日を送る事があろうとは、お
互に思いがけなかった事ですからな。」
「さようでございます。手前も二度と、春に逢....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
をやるのです。「あなたの心には同情する。が、わたしにはどうすることも出来ない。お
互に運命だとあきらめましょう。」――大体そう云う意味ですがね。それ以来妙子は今日....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
》師だ! それよりもお前、ここへ来て俺の体を抑《おさ》えていてくれ。」
彼等は
互に抱《だ》き合ったなり、じっと長椅子に坐っていた。北京《ペキン》を蔽《おお》っ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。 それでファラデーは、自然界の力は時として電力となり、時として磁力となり、相
互の間に関係がある。進んでこの問題を解いて大発見。両方という訳には行かぬ。いずれ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
り合わせということも世間にはある。頼むのは、ただそればかりだった。 彼等はよく
互にひたと倚りそって、あてもなく、ただ前へ前へと歩いて行った。その容子がいかにも....