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五分
「五分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
五分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
》いだったのであろう。
次の幕も僕等には退屈だった。しかし僕等が席についてまだ
五分とたたないうちに外国人が五六人ちょうど僕等の正面に当る向う側のボックスへはい....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
渡した所、一座の誰よりも日に焼けている。目鼻立ちも甚だ都会じみていない。その上|
五分刈《ごぶが》りに刈りこんだ頭は、ほとんど岩石のように丈夫そうである。彼は昔あ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
をした粉末とを入れるだけなのですから。それらの原料は機械の中へはいると、ほとんど
五分とたたないうちに菊版《きくばん》、四六版《しろくばん》、菊半裁版《きくはんさ....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
さんのことを考え勝ちだったのは事実かも知れない。………
翌朝《よくあさ》の八時
五分|前《まえ》である。保吉は人のこみ合ったプラットフォオムを歩いていた。彼の心....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
場《こうば》の方からも電話をかけて置いたんだが、――」
「もう三時過ぎ、――四時
五分前だがな。」
洋一は立て膝を抱《だ》きながら、日暦《ひごよみ》の上に懸って....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
じめる。同時にまた目の前へ浮かび上った金色《こんじき》の誘惑を感じはじめる。もう
五分、――いや、もう一分たちさえすれば、妙子は達雄の腕《かいな》の中へ体を投げて....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
りも半時間遅いはずだった。彼は時計を出して見た。しかし時計はどうしたのか、八時十
五分になりかかっていた。彼はこの時刻の相違を時計の罪だと解釈《かいしゃく》した。....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
気楼か? ――」
O君は急に笑い出した。
「どうもこの頃は蜃気楼ばやりだな。」
五分ばかりたった後、僕等はもうO君と一しょに砂の深い路《みち》を歩いて行った。路....
「白」より 著者:芥川竜之介
みにく》い黒犬になった日ごろの悲しさも忘れていました。
しかしそう云う幸福さえ
五分と続いたかどうかわかりません。白はただ夢のように、ベンチの並《なら》んでいる....
「早春」より 著者:芥川竜之介
寂しさを帯びていたものである。……
中村はもう一度腕時計を眺めた。腕時計は二時
五分過ぎである。彼はちょっとためらった後《のち》、隣り合った鳥類《ちょうるい》の....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
つも彼女には一籌《いっちゅう》を輸《ゆ》する外はなかった。彼女は実に去年の※をも
五分前の※のように覚えていた。
又
わたしは不幸にも知っている。時に....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
しょうよ。」
「うん、内地へ帰ることにしよう。内地へ帰って暮らすことにしよう。」
五分、十分、二十分、――時はこう言う二人の上に遅い歩みを運んで行った。常子は「順....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
えるものだった。僕はその前の椅子に坐り、いろいろのことを考えていた。が、そこにも
五分とは坐っている訣に行かなかった。レエン・コオトは今度もまた僕の横にあった長椅....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
。サヨウナラ」 遠藤は手紙を読み終ると、懐中時計を出して見ました。時計は十二時
五分前です。 「もうそろそろ時刻になるな、相手はあんな魔法使だし、御嬢さんはまだ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
用を使い、電流を生ずる機械を作ろうとした。初めに作ったのは、直径十二インチ、厚さ
五分の一インチの銅板を真鍮の軸で廻し、この板を大きな磁石の極の間に置き、その両極....