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「五十路〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

五十路の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海神別荘」より 著者:泉鏡花
。 公子 歌うてみないか。 侍女五 はい。(朗かに優しくあわれに唄う。) 都路は五十路あまりの三つの宿、…… 公子 おお、それだ、字書のように、江戸紫で、都路と....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
その仔細というのは 追って 七兵衛おやじの口から 皆さんのお聞きに入れるでしょう五十路《いそじ》に近いおやじが まだはたちに足らぬ女の 手を引いて 戻って来たの....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
言うし、島原の太夫の身のなる果てだと言う者もあります。 この尼法師、年はもはや五十路《いそじ》を越えているが、その容貌はつやつやしい。机に向って写すは経文かと....
大橋須磨子」より 著者:長谷川時雨
除くと、動かせない中老どころだ。廿五年勤続の祝いも五、六年前に済んで、もうやがて五十路にも近かろう。 けれども、おしかさんもまだ水々した年増《としま》だ。四十....
書記官」より 著者:川上眉山
立ち出でたるがごとし。辰弥の耳は逸早く聞きつけて振り返りぬ。欄干にあらわれたるは五十路に近き満丸顔の、打見にも元気よき老人なり。骨も埋もるるばかり肥え太りて、角....
三国志」より 著者:吉川英治
ころが、母公としては、それも気のすすまない顔で、 「聞けば、劉玄徳とやらは、年も五十路というではないか。なんでまだ世の憂き風も知らぬあのむすめを、他国のそんな所....
三国志」より 著者:吉川英治
まらず、閑を得ても、心から閑を楽しむ気持にもなりません。――身はいまだ無病、年も五十路の前、今にして、その任におこたえしなければ、やがて老いては、如何に思うとも....
私本太平記」より 著者:吉川英治
いが、この貞氏は空蝉に感じる。いかにせん、この病体」 「なんの、お父上とて、まだ五十路、御養生次第では」 「は、は、は……。出先につまらんことをいって悪かったな....
私本太平記」より 著者:吉川英治
になられた」といって祝福した。一個の大器が、百戦百難の風雪を凌いで、年もようやく五十路に入り、いよいよその風貌にも年輪の威を加えてきたものとみな頼もしく見ていた....