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五日市
「五日市〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
五日市の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「山羊髯編輯長」より 著者:夢野久作
いる。 白い筒袖の仕事着を引掛けているから着物の柄はわからないが、垢の附かない
五日市の襟をキュッと繕って、白い薄ッペラな素足に、八幡黒の雪駄を前半に突かけてい....
「壊滅の序曲」より 著者:原民喜
い》になり、思いがけぬ方角へ解決されてゆくのであった。 疎開の意味で、高子には
五日市町の方へ一軒、家を持たす、そして森家の台所は恰度《ちょうど》、息子を学童疎....
「廃墟から」より 著者:原民喜
私は広島駅へ行ってみることにした。あの遭難以来、久し振りに訪れるところであった。
五日市まではなにごともないが、汽車が己斐《こい》駅に入る頃から、窓の外にもう戦禍....
「永遠のみどり」より 著者:原民喜
やり机の前に坐っていると、彼はそこが妻と死別した家のつづきのような気持さえした。
五日市《いつかいち》街道を歩けば、樹木がしきりに彼の眼についた。楢《なら》、欅《....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
を見るのとは、おのずからちがった感じです。 広島はひどいわ。己斐は勿論のこと、
五日市でしたか、あの辺までやけて居ります。爆風か爆弾かにやられたところもどっさり....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
とそしてこうした少年の本能としての、誘惑とを見出した。 彼は私の叔父の家のある
五日市と、河を隔てた十日市に下宿していた。 或る夏の日私が馬洗川の堤を散歩して....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
を、昨日の朝、Sさんからくわしくきいた。 十九日の朝から国道第一号や板橋街道や
五日市街道を、空《から》の陸軍の大型トラックがひっきりなしに出て行くのが注意をひ....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
字で三字ということだから、滋賀の五箇庄は言うまでもなく、五峰山から五郎潟、武蔵の
五日市といたるところを訊ねて廻ったすえ、この下総《しもおさ》の真間の奥に、五十槻....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
金の鱗《うろこ》 看月《つきみ》も、あと二三日。 小春日に背中を暖めながら、軽口をたたきたたき、
五日市街道の関宿の近くをのそのそと道中をするふたり連れ。ひょろ松と顎十郎。 小....
「実践について」より 著者:中井正一
わっているし、またそう信じているとの情報を得たのであった。その対策として、私達は
五日市の競馬場に突込まなければならないはめに落ちたのである。 烈風の吹く日であ....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
と、権宮司さんは指さしていう。ぼくらは、ほっと、一息つく。おお対岸の地御前の灯、
五日市あたりの灯、かすかに、広島の方にも灯が見える。 広島の灯は、またたいてい....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
なれり。甚だ御利生のあるものなり。新張の八幡社の神楽組のゴンゲサマと、土淵村字|
五日市の神楽組のゴンゲサマと、かつて途中にて争いをなせしことあり。新張のゴンゲサ....