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五更
「五更〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
五更の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
出て来て、そのまま自分の寝床にあがって、さも疲れたように再び高鼾で寝てしまった。
五更(午前三時―五時)に至って、張はまた起きた。僕を呼んで燈火をつけさせ、髪をく....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
を室内に深く閉じ籠めて、下婢十余人を付き添わせて置くと、その夜は暗い風が吹いた。
五更(午前三時―五時)に至るまで寂然として物音もきこえないので、守る者も油断して....
「金鳳釵記」より 著者:田中貢太郎
だそうですから、それでもたよって往ってみようじゃありませんか」 二人はその朝の
五更の頃、そっと家を逃げだして、瓜州から揚子江の流れを渡り、鎮江府の丹陽へ往って....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
はなかった。緋衣の人も聞かないようなふうでしずかに書物を読みつづけていた。やがて
五更(午前三時―五時)の頃になると、彼は又しずかに起ちあがって楊の寝床へ近寄って....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
って来たようですから、おそらく痺癬でも出来たのだろうかと思っていました。すると、
五更ののちから両脚が自然に食っ付いてしまって、もう伸ばすことも縮めることも出来な....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
環の約あり、何《いつ》の日か金鶏夜郎に下らん〉、李廓の鶏鳴曲に、〈星稀に月没して
五更に入る、膠々《こうこう》角々鶏初めて鳴く、征人馬を牽いて出でて門立つ、妾を辞....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
、原文に鶏鳴露とあるが、鶏鳴(四更|丑刻)は午前二時から四時迄であり、また万葉に
五更露爾(巻十・二二一三)ともあって、
五更(寅刻)は午前四時から六時迄であるから....
「鵞湖仙人」より 著者:国枝史郎
たのである。 由井正雪は丘を下り、どこへとも無く行って了った。 こうして深夜
五更となった。 すべて忍術家というものは、
五更と三更とを選ぶものである。 鵞....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
甲斐守は膝を進めた。「銅銭会の会員がな? してどこで? どんな騒動を?」 「今夜
五更花川戸に集まり、ある家を襲うということでござる。同勢おおかた三百人」 両国....
「西航日録」より 著者:井上円了
述ぶ。 巴里夜景 巴里街頭夜色清、樹陰深処電灯明、満城人動春如湧、酌月吟花到
五更。 (巴里の夜景 巴里の市街は夜の景色も清らかに、樹かげの深いところにも電....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
街中の人々が往来し、春の気配は湧くように満ちて、月をめでて酒を酌み、花を吟詠して
五更(五時)に至ったのであった。) 遅日暖風渓色濃、車窓一望洗天涅毘峰。 (春の....
「三国志」より 著者:吉川英治
西門のほうでも、さんざんに張繍のために破られ、全線にわたって、破綻を来したため、
五更の頃まで、追撃をうけ、夜も明けて陽を仰いだ頃、城下二十里の外に退いて、損害を....
「三国志」より 著者:吉川英治
。従者もちりぢりに後から逃げて彼に追いついた。 蔡瑁は、そんなこととも知らず、
五更の頃を見はからって、一斉に鉦を鳴らし、鼓を打ち、ここへ殺到した。 もちろん....
「三国志」より 著者:吉川英治
て号令した。 甘寧を先手に、蒋欽、韓当を左右の両翼に、夜の四更に兵糧をつかい、
五更に船陣を押しすすめ、弩弓、石砲を懸連ねて、「いざ、来れ」と、待ちかまえていた....
「三国志」より 著者:吉川英治
を防げ」と、馬も止めずに命じながら、鞭も折れよと、駈けつづけた。 夜はすでに、
五更の頃おいであった。振りかえると、赤壁の火光もようやく遠く薄れている。曹操はや....