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「五月の節〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

五月の節の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
ず、それでも立派にお役を勤めて家繁昌する世の中に、なんの役にも立たない鎧や刀は、五月の節句の飾り具足や菖蒲刀《しょうぶがたな》も同様だ。家重代の宝でもいい値に引....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の花ぐたしの雨が三日も四日も降りつづいて、時候はずれに冷える日もあった。それでも五月の節句前から晴れて、三、四、五、六、七の五日間は初夏らしい日の光りが、江戸の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
たところから林の中の山道になって、登れば登るほど木曾の西のはずれへ出て行かれる。五月の節句もまためぐって来て山家の軒にかけた菖蒲の葉も残っているころに、半蔵は馬....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
― ――――― 安さん 乞食も色々のが来る。春秋の彼岸、三五月の節句、盆なンどには、服装も小ざっぱりした女等が子供を負って、幾組も隊をなし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
女房は、ちょっと眉根《まゆね》を顰《ひそ》めて男の方を見やりました。 「四年目の五月の節句じゃな」 見台《けんだい》を前にして何かを読んでいた男の人は、女房の....
庭の追憶」より 著者:寺田寅彦
ると古い記憶がはっきりとよみがえって来て、それが槲の木だとわかる。ちょうど今ごろ五月の節句のかしわ餅をつくるのにこの葉を採って来てそうしてきれいに洗い上げたのを....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
、いつも淡泊した円髷で、年紀は三十を一つ出た。が、二十四五の上には見えない。一度五月の節句に、催しの仮装の時、水髪の芸子島田に、青い新藁で、五尺の菖蒲の裳を曳い....
幼年時代」より 著者:堀辰雄
枝ぶりを食い入るようにして見入っていた。 註一 火事があったのは丁度私の四歳の五月の節句のときで、隣家から発したもので、私の家はほんの一部を焼いただけですんだ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
松の葉にさして根がけにした。山吹の真白なじくも押出して、いちょうがえしへかけた。五月の節句には菖蒲《しょうぶ》の葉を前髪に結んだり、矢羽根《やばね》に切ったのを....
源氏物語」より 著者:紫式部
馬寮、右馬寮の馬が前庭に並べられ、左近衛、右近衛の武官がそれに添って列立した形は五月の節会の作法によく似ていた。午後二時に南の寝殿へお移りになったのであるが、そ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
で主人の傍に坐っているけれど、かつてはこうしてあなた方の仲間で、年末ばかりでなく五月の節句にも中学を休んでまで家業の手伝いをしたものです。 中村屋は元来一小個....
」より 著者:岡本綺堂
そのうちに三月の三日、ちょうどお雛さまの節句の日に、途方もない大きな鯉が捕れた。五月の節句に鯉が捕れたのなら目出たいが、三月の節句ではどうにもならない。捕れた場....
少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
いう冒険者の像と、金太郎という動物と同棲していた自然児の裸像もまつる、この祀りを五月の節句と称するんだ、五月節句は男子の祝日なのだ、だからぼくは五月節句をもって....
明治時代の湯屋」より 著者:岡本綺堂
ようになったが、大体に於ては午後開業に一定してしまった。 *五月の節句(四、五の両日)に菖蒲湯を焚き、夏の土用なかばには桃湯を焚き、十二月の....
手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
す。 武蔵の産物としては騎西や加須の鯉幟もその一つに挙げるべきでありましょう。五月の節句に勢いよく高く靡くあの幟であります。出来のよいことと産額の多いこととで....