五輪[語句情報] »
五輪
「五輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
五輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻談」より 著者:幸田露伴
が一人見たのではありませぬ、残っていた人にみな見えたと申すのです。十字架は我※の
五輪《ごりん》の塔《とう》同様なものです。それは時に山の気象で以《もっ》て何かの....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
あったが、明治二十七年に至って再び発見された。草深い土の中から掘り起したもので、
五輪の塔とは云うけれども、地・水・火の三輪をとどむるだけで、風・空の二輪は見当ら....
「狐の手帳」より 著者:田中貢太郎
垣根の破れを潜って卵塔場へ遊びに往くことがあるのでよく案内は知っていた。其処には
五輪になった円い大きな石碑や、平べったいのや、角いのや、無数の石塔が立ち並んでい....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
どうれ。(壁より出迎う)いずれから。 朱の盤 これは岩代国|会津郡十文字ヶ原|青
五輪のあたりに罷在る、奥州変化の先達、允殿館のあるじ朱の盤坊でござる。すなわち猪....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
十六日の新聞を見ると、某医専教授が、人夫を使って鎌倉の百八矢倉という史跡を暴き、
五輪の塔を窃取して、荷車にのせて持って帰って、自分の邸宅の置石にしていた、という....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
い、おばけだから、出入りは自由だわ。」 するすると早や絹地を、たちまち、水晶の
五輪塔を、月影の梨の花が包んだような、扉に白く絵の姿を半ば映した。 「そりゃ、い....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の廟所《びょうしょ》。そこには徳川氏累代の貴婦人の墓が多い。或いは無縫塔、或いは
五輪、或いは宝篋印《ほうきょういん》、高さは一丈にも二丈にも及ぶものがあって、米....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を見ると、それよりはいくらか小さい分のこと、あちらにもこちらにも同じような石塔、
五輪のような形を成したのや、無縫の形を成したのまでが、散在していて、そのまわりに....
「魔王物語」より 著者:田中貢太郎
だと云う千畳敷と呼ぶ処があった。そして、また二十丁ばかりも往くと三次殿の塚と云う
五輪の塔があって、其の背後には俗に天狗杉と云う七尋か八尋位もある大杉が、塚を覆う....
「青春論」より 著者:坂口安吾
の覚悟に比べれば、宮本武蔵は平凡であり、ボンクラだ。武蔵六十歳の筆になるという『
五輪書』と『夢酔独言』の気品の高低を見れば分る。『
五輪書』には道学者的な高さがあ....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
ようになって重なり合い、またその背後には、回教風を真似た鋭い塔の尖や、西印度式の
五輪塔でも思わすような、建物の上層がもくもくと聳え立っていた。そして、その遥か中....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
や木刀で打ち合うことだけでは満足しないで、沢庵禅師の「不動智」とか、宮本武蔵の「
五輪の書」とか、そういう聖賢や名人の著書を繙くことによって、研究を進めた。今、「....
「磯部の若葉」より 著者:岡本綺堂
に城を構えて、今も停車場の南に城山の古蹟を残している位であるから、苔の蒼い墓石は
五輪塔のような形式で殆ど完全に保存されている。これに列んでその妻の墓もある。その....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
喜愛心」及び「不断煩悩得|涅槃」の両|聯も、訪客に異様な眼を※らした小さな板碑や
五輪の塔が苔蒸してる小さな笹藪も、小庭を前にした椿岳旧棲の四畳半の画房も皆焦土と....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
物をも云わずお葉の前に歩み寄って、二叉の枝を股から二つに引裂くと、何方の枝にも四
五輪の蕾を宿していた。彼は其の一枝をお葉に渡した。お葉も黙って受取った。 二人....