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「井の口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

井の口の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:夏目漱石
で、坂井から聞いた話を何度となく反覆した。彼は満洲にいる安井の消息を、家主たる坂井の口を通して知ろうとは、今が今まで予期していなかった。もう少しの事で、その安井....
押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
れが一年前でありましたならば、こんなよい折は願ってもない筈でしたのに……そうして井の口の娘と名乗って中村珊玉様にお眼にかかる機会が出来たかも知れないのに……私は....
河明り」より 著者:岡本かの子
立ったような梢は葉を参差していて、井戸の底にいるような位置の私には、草荵の生えた井の口を遙かに覗き上げている趣であった。 その狭い井の口から広大に眺められる今....
」より 著者:徳田秋声
るんですよ。」 召使いの少女が妊娠したという、根岸の隠居の噂が、生欠まじりに浅井の口から話された時、お増はそう言って眉を顰めた。夜更けて馴染みの女から俥に送ら....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
「ただこう書いたよ、援軍きたらず零敗すと」人々はおどろいて阪井の顔を見詰めた、阪井の口元に冷ややかな苦笑が浮かんだ。 「だれかなんとかすればいいんだ」と手塚がい....
道標」より 著者:豊島与志雄
。雪見はあとにして、こっちい来いよ。まだウイスキーがたくさん残っている。」 白井の口笛に歩調を合せて、二人は酒の方へ行きました。 その向うで、山崎が道化てい....
地上」より 著者:島田清次郎
まだ文学――小説などいうものに根柢的な意志を動かしたことはなかった。もしそれが深井の口から話されなかったなら、「うるさいな、女のくさったような女々しい泣言は僕は....
電報」より 著者:織田作之助
、あんたは働いてない」 「しかし、あんたは働いてない」 白崎は例によってすぐ照井の口真似をした。 迷子だと思った小隊長が帰って来たので三人はやれやれだったが....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
いずれも大師の来られなかった前の頃の、水の不自由を語っております。例えば粟津村|井の口の弘法の池は、村の北の端にある共同井戸でありますが、昔ここにはまだ一つの泉....