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井底
「井底〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
井底の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
も掘って、無色透明無臭而して無味の水が出た。奇麗に浚ってしまって、井筒にもたれ、
井底深く二つ三つの涌き口から潺々と清水の湧く音を聴いた時、最早水汲みの難行苦行も....
「探偵小説の真使命」より 著者:夢野久作
文壇の荘厳から遠く離れた山の中に退化生活を営んでいるせいかも知れない。のみならず
井底の蛙かもしくは盲、蛇に怖じずの類であろう。こうした大勢に対して死に物狂いの反....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るうちに、その中の一人が、また制禁を忘れて、 「失脚落チ来《きた》ル江戸ノ城、
井底《せいてい》ノ痴蛙《ちあ》ハ憂慮ニ過ギ、天辺ノ大月高明ヲ欠ク……」 と、は....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
及ばぬ者が掛かる偉大な先進の努力と研究とのあるを全く知らず、先入が主となるので、
井底の蛙の如き陋見から心霊現象を或は無視し或は冷笑するのは気の毒千万である。淺野....
「異質触媒作用」より 著者:寺田寅彦
。自分の子供の時分に屋内の井戸の暗い水底に薬鑵が沈んだのを二枚の鏡を使って日光を
井底に送り、易々と引上げに成功したこともあった。 日本橋橋畔のへリオトロープは....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
好は女を促して悠然《ゆうぜん》とめっかち長屋をあとにした。 行く先は奇怪至極な
井底《せいてい》の集会所。 大股《おおまた》に肩を振って行く里好宗匠のあとから....