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「井戸側〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

井戸側の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と思いに死んでしまう積りか、それはわたくしにも能く判りませんでしたが、ともかくも井戸側の上で火の粉がぱっと散ったかと思うと、お津賀の姿はもう見えなくなったようで....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら店には洗い場があって、そこには大きい内井戸がある。普通の井戸とは違いますから、井戸側が低く出来ている。藤吉は逃げ廻るはずみに井戸端で足をすべらせて、井戸側へよ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
のなかは思いのほかに広かった。まっすぐにはいると、左側に大きい井戸があった。その井戸側について左へ曲がると、また鉤の手に幾軒かの長屋がつづいていた。しかし長屋は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
この時、露路の口から忍ぶようにはいって来る足音がきこえたので、半七はあわてて井戸側のかげに身をかくすと、一人の男があたりを見まわしながら、小左衛門の家の格子....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
いて追ってゆくと、逃げ場を失ったものか但しは初めから覚悟の上か、かれはそこにある井戸側に手をかけたと思うと、身をひるがえして真っ逆さまに飛び込んだ。 長屋じゅ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
腕から脱ぎかけて、 「久しぶりで、私が洗って差上げましょう。」と、脱いだ上衣を、井戸側へ突込むほど引掛けたと思うと、お妙がものを云う間も無かった。手を早や金盥に....
朱日記」より 著者:泉鏡花
々に学校で――やがて暑さにはなるし――余り青苔が生えて、石垣も崩れたというので、井戸側を取替えるに、石の大輪が門の内にあったのを、小児だちが悪戯に庭へ転がし出し....
地球盗難」より 著者:海野十三
って素早く自分の胴中に結ぶと、井戸端に駈けつけた。それからポンポンと半靴を脱ぎ、井戸側に片足をかけた所で、首を廻して大隅学士の方をみた。 「ねえ……着陸の方は味....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
戸は埋めて終いましたし、どうもよく分らないのです。然し調べた所に依りますと、確に井戸側はあったようで、過失で陥込むような事はなかろうと思われます」 「ふん」 ....
田舎教師」より 著者:田山花袋
一軒二軒と残っている。昔ふうの黒いシタミや白い壁や大きい栗の木や柿の木や井字形の井戸側やまばらな生垣からは古い縁側に低い廂、文人画を張った襖などもあきらかに見す....
獄中生活」より 著者:堺利彦
れた。これでまず一人前の囚人になった。 監房は八畳ばかりの板張りで、一方の隅に井戸側のようなものがあって、その中が低く便所になっている。一方の隅には水の出るパ....
長い名」より 著者:楠山正雄
いからだ。おれなんかどんなことをしたって落ちやしない。」といばりかえって、わざと井戸側にぶら下がったり、つるべを引っぱったりしているうちに、はずみでぽかんと井戸....
番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
瓶からは玉のような水がこぼれ出した。 「ほう、良い水……」と、お菊の母は帰り際に井戸側へ寄った。 「深いので困ります」と、お仙はいった。 「山の手の井戸の深いは....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
。 足の倍もあるのをはいて、丸太を段にした狭い坂をそろそろ下りて行きます。古い井戸側は半分朽ちて、まっ青な苔が厚くついていて、その水のきれいなこと、溢れる水は....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
するところになっているだろう。 オベリスクの記念塔に比較しては非美術的であり、井戸側としては大きなものであるセメントや鉄製の煙筒は、墓標研究家もその起源をまっ....