井水[語句情報] » 井水

「井水〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

井水の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
という大字の八幡宮に産湯の井あり。土伝《いいつたえ》に、応神帝降誕のみぎり、この井水を沸《わ》かして洗浴し参らせたりという。その時用いたる火を後世まで伝えて消さ....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
問題についても詳述している。彼の説によると、その水、山水を用うるは上、江水は中、井水は下である。煮沸に三段ある。その沸、魚目(一一)のごとく、すこし声あるを一沸....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
該井戸附近は旧時松、杉等の密林及び竹藪等の間少し許りの畑地を有するのみにして、該井水は番人小屋の飲用に供せられしも、其後次第に伐採開墾せられ大正二年頃は所謂池田....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
って立ちはだかりました。 勿論下総十五郎の啖呵は、大野ざらしの彫り物の中から、井水のように凄じく噴きあげている最中なのです。 「べらぼうめ、見損った真似しやが....
知と疑い」より 著者:寺田寅彦
液体空気の事を語る。老人いわく「空気が水になるのは何も珍しい事はない。夏コップに井水を盛れば器外に点滴のつくのはすなわちそれではないか」と。 疑う人におよそ二....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
話せる」と良人にほめられた。 玉川に遠いのが毎も繰り返えされる失望であったが、井水が清んだのでいさゝか慰めた。農家は毎夜風呂を立てる。彼等も成る可く立てた。最....
ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
に繰り返しつつあるものと全然同様である。 次には毒ガス泉や井戸水の問題がある。井水の温度に関する彼の説明は奇抜である。 その次に磁石の説が来るのは今の科学書....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
かな縄に纏わり、井に降り立った男の中からの合図につれ、滑車を辷り来る縄を曳いて、井水をかえ出す様、漸くこれを見ること稀々にはなったが、かれらの懸け声とザァザッと....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と、いう。 「はいはい。熱い湯では、なおなおお暑うございましょう。唯今、冷たい井水を汲ませまする」 「いや、道中、水は一切飲まぬことにしておる。湯が結構だ」 ....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
、数日の疲労があるところへ、ドッと助勢が見えたので、一時に心が弛んだのであろう」井水を汲んで口へふくませ、自家の薬丹を印籠から取り出しなどしている間に、鴻山は、....