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亜熱帯
「亜熱帯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
亜熱帯の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
がたかく、それまで栴檀《せんだん》のあいだに麝香鹿《じゃこうじか》があそんでいた
亜熱帯雲南が、一変して冬となる。揚子江の上流金沙江の大絶壁。じつに、雲をさく光峰....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
の上に抽象的な形而上の瞑想にふけり、宗教の発達を来たした。いわゆる三大宗教はみな
亜熱帯に生まれたのである。半面、南種は安易な生活に慣れて社会制度は全く固定し、イ....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
そして其の一度とは、死ぬ時であろう。熱帯に於てのみ私は纔《わず》かに健康なのだ。
亜熱帯の此処(ニュー・カレドニア)でさえ、私は直ぐに風邪を引く。シドニーでは到頭....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
第一に気候である。現在の日本はカラフト国境から台湾まで連なる島環の上にあって
亜熱帯から亜寒帯に近いあらゆる気候風土を包含している。しかしそれはごく近代のこと....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
産の猴は学名マカクス・スベシオススの一種に限る。 猴はなかなか多種だが熱帯と
亜熱帯地本位のもの故、欧州にはただ※爾《さいじ》たるジブラルタルにアフリカに多い....
「火薬船」より 著者:海野十三
っていった。連日みたし切れないむねを持てあましていた平靖号の船員たちも、異色ある
亜熱帯地方の風物が、両岸のうえにながめられるようになって、すこしばかし、なぐさめ....
「台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
蘇鉄ばかりの山も、見渡す限りの甘蔗畑も、甚だ微弱なものと云わねばならない。熱帯と
亜熱帯とに亘る本島の炎暑も、さほどのものではない。 溪の水量の激変は大なる熱情....
「火の扉」より 著者:岸田国士
ぜ、ものみな淡くさわやかなゆうべに、そんな印象を呼びさましたか? むせるような
亜熱帯の花の香りは、あからさまに言えば、彼の胸にきざしている井出夫人へのやみがた....
「金狼」より 著者:久生十蘭
には竜眼の香り、雲にはペタコのこえ、酷熱のいいようなき楽しさ)……僕はもういちど
亜熱帯で暮したい。僕の感情はあの空気に触れると、どういうものか、溌剌と昂揚してく....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
ますと氷りついている寒い土地から、雪を知らない暑い国にまで及びます。寒帯、温帯、
亜熱帯、その凡てを備えているのが我が国であります。面積の小さな一国でこんな様々な....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
にいた時、私は朝となく、夕べとなく、この赤いトマトを食べ恍れていたものだ。だが、
亜熱帯のそれは何かしら熱気が深く籠っていて、これほどの冷えびえとした舌触りは無か....
「私の青年時代」より 著者:山之口貘
か日本語は通じるかなどゝ談し合ひながら、世間の既成概念達が寄留するあの僕の国か!
亜熱帯 アネツタイ! と女は言つた
亜熱帯なんだが、僕の女よ、眼の前に見える亜熱....