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亡ぼす
「亡ぼす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
亡ぼすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
。お前は己を避けようとしてかえって己を招いたのだ。
B ああ。
男 己はすべてを
亡ぼすものではない。すべてを生むものだ。お前はすべての母なる己を忘れていた。己を....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
せらるるのじゃ。紂王はいかに悪虐の暴君というても、しょせんは唯の人間じゃ。これを
亡ぼすのは、さのみむずかしいとは思わぬが、ただ恐るべきはかの妲己という妖女で、彼....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
射るのである。父の英公は常に言った。 「この児の人相は善くない。後には我が一族を
亡ぼすものである」 敬業は射術ばかりでなく、馬を走らせても消え行くように早く、....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
二人ながら、恐れられていた人達であり、そうして高蔵尼という一女性は、駿河大納言を
亡ぼすべく、活躍したところの本多上野介の、血を引いた姫だということである。昆虫館....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
い。……中にも貴女は美しい。だから、陸の一浦を亡ぼして、ここへ迎え取ったのです。
亡ぼす力のあるものが、亡びないものを迎え入れて、且つ愛し且つ守護するのです。貴女....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
す。日本は建国以来二千六百年になり、万世一系の天皇をいただいているので、なかなか
亡ぼすのに骨が折れます。それでも数年前までは、われわれの計画がうまくいって、国内....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
つを助けたのさ。その素晴らしい科学の力、その素晴らしい海外の知識、それをムザムザ
亡ぼすのが、おれにはどうにも惜しかったからな」 「これはごもっともでございます」....
「中毒」より 著者:織田作之助
かし、私が身を亡ぼせばその原因は煙草かも知れない。 世間には酒と女と博奕で身を
亡ぼす人は多い。私は競馬は好きだが、人が思うほど熱中しているわけではないから、そ....
「「汐くみ」の画に就いて」より 著者:上村松園
評家達はその芸術価値についていろいろ申されますが、私はこの特異の純日本風美人画を
亡ぼすことが心に忍びません。もちろん時代の趨勢でございますから、新しい美人画――....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
かぐわしき野の匂い、清楚な水の流れ、情味の芳醇な山の姿。どうして、こんないい国を
亡ぼすことができよう。人々の抱くその感懐が伝統の強き情操に育まれきたったであろう....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
ん 生前の功は未だ麟閣に上らず 死後の名は先づ豹皮を留む 之子生涯快心の事 呉を
亡ぼすの罪を正して西施を斬る 玉梓 亡国の歌は残つて玉樹空し 美人の罪....
「赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
あつめ、しみじみとした口調で申し渡した。 「この間は数箇度の合戦に打ち勝ち、敵を
亡ぼすこと数を知らず、正成くれぐれも有難く思うぞ。が、敵大勢なれば物の数ともせず....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
多になって蝟集した。もう貴賤も尊卑もない。 確かに天が人類の数限り無き罪障を焼き
亡ぼすものである。彼等は罪障の消滅から逃れようとするのだ、そうは行かぬ。 六十七....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
た。第四の人は、たとい外国ではどうであれ、女形は日本独特のものであるから、それを
亡ぼすのは宜しくないと言うのであった。この間にあって、第一の説を主張する人は極め....
「ろくろ首」より 著者:小泉八雲
ったために悪い行をいたしました。自分の我儘から家の破滅を招いて、たくさんの生命を
亡ぼす原因をつくりました。その罸があたって、私は長い間この土地に亡命者となってい....