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亡兄
「亡兄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
亡兄の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
、私達の一家は全く心細い限りでした。不思議なことに、先代の赤耀館主人であった私の
亡兄丈太郎の妻、つまり私にとっては嫂にあたる綾子も、係累の少い一人娘だったのです....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
ずれも佳きことをしたと思うだけで、格別、真淵をうらまない。 「慈眼。」というのは
亡兄の遺作(へんな仏像)に
亡兄みずから附したる名前であって、その青色の二尺くらい....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
円の月給が立派に通用していた当時にあっては、大金であったろう。この金で、田辺家は
亡兄の一周忌をすませ、田辺龍子という名は、その時代の若い婦人たちの目を見はらせ、....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ャンバラではなくて、そもそもの原因は祐親が兄の所領を奪ったのが起りである。つまり
亡兄の遺言によって
亡兄の一子工藤|祐経の後見となった伊東祐親は、祐経が成人して後....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
て、私と母とを間違えるようでした。主人は確かで、至って安らかに終りました。この頃
亡兄は結核であったといわれるようになりましたが、主人も歿後解剖の結果、結核だとせ....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
よ」 「あ。さては」 「知らずに登ったのがてめえの運のつきだ。針の山、地獄の谷、
亡兄の典馬が呼んでるから早く行け」 絡みついた分銅鎖は、武蔵の刀から離れなかっ....
「三国志」より 著者:吉川英治
っています」 「御身の年齢は」 「ことし二十七歳です」 「二十七歳。すると、わが
亡兄の孫策と同年だの」 孫権は非常になつかしそうな顔をした。 魯粛はかたわら....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
すぐ過ぎていた。約束の退位期限である。じつに、あっけない。 が、皇太子|邦良(
亡兄、後二条の御子)とすれば、待望の季節であった。しきりに密使を関東へやり、早く....