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「亡妻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

亡妻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
土曜夫人」より 著者:織田作之助
どまでにしなかった筈だ。 つまりは、彼のホールぎらいのせいだ。それというのも、亡妻がダンサーだったからである。 亡妻の名は八重子といった。 学生の頃の木崎....
どんぐり」より 著者:寺田寅彦
のを歌って飛び飛びしながらまた拾い始める。余はその罪のない横顔をじっと見入って、亡妻のあらゆる短所と長所、どんぐりのすきな事も折り鶴《づる》のじょうずな事も、な....
幸運の黒子」より 著者:海野十三
淑に守りつづけているのを見ちゃいられなかったせいだった。そして半平は、あくまでも亡妻への貞操を死守するつもりだったのである。彼のエネルギッシュな敵娼《あいかた》....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
庸三の語調も荒かった。 葉子は旋風のごとく飛び出して行った。 春日は庸三の亡妻時代からの懇意な弁護士であった。数寄屋河岸に事務所をもち、かつて骨董癖のある....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
\と雪になった。 余は多情多恨を読みつゞける。何と云うても名筆である。柳之助が亡妻の墓に雨がしょぼ/\降って居たと葉山に語る条を読むと、青山墓地にある春日燈籠....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
かったのです」 積んで来た酒や肉を彼に馳走して、舟は早々に漕ぎ戻した。(同上)亡妻 宋の大観年中、都の医官の耿愚がひとりの妾を買った。女は容貌も好く、人間も....
火葬国風景」より 著者:海野十三
八十助の恋女房の露子が、この春かりそめの患いからポツンと死んでしまったため、彼は亡妻を争った敵手のことなんかいよいよ忘れてしまったのである。 その鼠谷仙四郎が....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
俤うつる夢さめて、ねやにただきく川風の音。 廿九日、餘作来塲して予を慰む。 寛は亡妻の病めるや既に不治にして必死たるべきを决定するを以て、死去後には憂いとは思わ....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
んだ者に対しては特に敬語を使ったらしく、その他の人麿の歌にも例がある。この一首は亡妻を悲しむ心が極めて切実で、ただ一気に詠みくだしたように見えて、その実心の渦が....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
方はインネンをつけられて愉快な筈はないが、先方のヒガミに同情できる気持もあって、亡妻の生家に対する一応の礼は欠かさない。それがまた鍵タのヒガミをそそりたてて、小....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ちの一軒の女郎屋と馬肉屋を妹のムコと弟へヒキデモノにやって自分はワリをかせいだ。亡妻杉代の兄は仲見世の根木屋というミヤゲ物屋。妹のお直とお安は裕福でない小商人へ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
である。と熱心に喫茶部開設の希望をした。ボースはすでにその妻を失っていたが、その亡妻俊子は私の長女であった。英国政府の迫害の中にある印度志士の彼に嫁した俊子は心....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
いるということは、多くの場合、その人を憂欝にし、衰弱に導くものである。たとえば、亡妻の黒髪を形見として肌身に附けている良人が、いつまでも亡妻の思い出から遁がれる....
頼朝の最後」より 著者:田中貢太郎
、その七月に愛妻を失ったので、悲しみのあまりに髪を剃って出家して、その月になって亡妻追福のために、橋供養を営むことになり、右大将家もこれに臨んだのであるが、その....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
周囲の者の反対を怖れて、どういう風に承諾させたものかと絶えず考えている中に、軈て亡妻の形見分の時がまいり、私は妻の箪笥やら、手廻りの道具に一通り目を通さねばなり....