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亡霊
「亡霊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
亡霊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
の後また、東三条の河原院《かわらのいん》で、夜な夜な現れる融《とおる》の左大臣の
亡霊を、大殿様が一喝して御卻《おしりぞ》けになった時も、若殿様は例の通り、唇を歪....
「海底大陸」より 著者:海野十三
」 「……」 エバン船長の顔はあお白くなった。海底に沈んだアトランティス大陸の
亡霊が、いまルゾン号の下にうごめいているらしいのだ。 「きっときっと、それは信じ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
。 (もしや、あれは佐々砲弾の幽霊ではないかしら? それともあの怪力の辻川博士の
亡霊だろうか?) 大隅学士は、俄かに失った友のことを考えて、胸をしめつけられる....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
れを追っかけて来た。そしてみんな泥の中にはまって姿が見えなくなってしまった。その
亡霊がああした人玉になってまだ迷っているのだと。 実際その辺の田からは、その頃....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
そのために、この部屋全体が異様な響をたて、それに和して、何百人何千人とも知れない
亡霊《ぼうれい》の祈りの声が聞えたように思った。治明博士は、気が遠くなった。 「....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
とらしくいって、 「ふん、さっきは貴様のおかげで、もうすこしで古錨をかついだまま
亡霊になりはてるところだった。運よくケレンコ閣下が通りかからなければ、すくなくと....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
警官はムッとした顔つきで、 「じょ、冗談じゃありませんよ、帆村さん。経済市況で
亡霊を払いのけることができるものですか。このラジオは勝手に鳴っているんです。とて....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
きている確かな証拠を申し上げにまいりました」 「なんじゃ、カワカミ? カワカミの
亡霊にゃわしは用はないわい。生きているものなら、貴様ひっかついで、ここへ連れてこ....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
も、かすかなしめっぽい苔の花が、ちらちらと切燈籠に咲いて、地の下の、仄白い寂しい
亡霊の道が、草がくれ木の葉がくれに、暗夜には著く、月には幽けく、冥々として顕われ....
「十年後のラジオ界」より 著者:海野十三
だろうな。そりゃどうも仕方がないサ。君を思いつめ、君の奥さんを呪って死んだD子の
亡霊なんぞ、早速ドロドロとやってくるぜ。」 「ウワーッ。僕は明日から、参禅生活を始める決心をした!」....
「悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
ち、見る見る昼も夜の如く暗くなって、大夕立、大|雷鳴。川上の矢口の渡で新田義興の
亡霊が、江戸遠江守を震死せしめた、その大雷雨の時もかくやと思わしめた。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た地方につきまとう主領の精霊で、空中の魔力の総大将とおぼしいのは、首の無い騎士の
亡霊である。ある人たちのいうのには、これはヘッセからアメリカに渡った騎兵の幽霊で....
「迷信解」より 著者:井上円了
を渡したり。怪物、喜んでこれを受けて去れり。その翌夕また深更に、同じく白衣白帽の
亡霊出現し、さらにほかの衣類を授けられんことを請えり。かくのごとくすること再三に....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
場合、何人も恍として鎌倉時代の人となるであろう。これを雨月物語式に綴れば、範頼の
亡霊がここへ現れて、「汝、見よ。源氏の運も久しからじ」などと、恐ろしい呪いの声を....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ぬ噂であった。ツイその数日前の或る新聞にも、「開国始末」で冤を雪がれた井伊直弼の
亡霊がお礼心に沼南夫人の孤閨の無聊を慰めに夜な夜な通うというような擽ぐったい記事....