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亢
「亢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
亢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
、ザブンと荒々しく足を踏み入れた職人風の二人。彼等はもう必然的の労働の様に、妙に
亢揚した息使いで各々足の先で湯の中を探って廻った。泥沼に陥没しかかった旅人のよう....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
が正しいか、それとも、僕の恐ろしい予想に軍配が挙がるか――」 で、私達は二人共
亢奮して歩き続けた。 もうこの附近はW駅の西端に近く、二百|米程の間に亙って、....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
得べからざるものの姿でも見た人のように、空ろに見開かれて、食器をとる手は、内心の
亢奮を包み切れずか絶えず小刻に顫えていた。 大月は黙ってそそくさと食事を進めた....
「あやつり裁判」より 著者:大阪圭吉
た菱治さんは、そこで急に不審を抱いたんです。不審を抱いたどころじゃアない、ひどく
亢奮しちまったくらいで…… いや全く、無理もないですよ……聞いてみれば、その殺....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
は零さなかった。 わたくしは心配性の逸作に向って、わたくしが父の死を見て心悸を
亢進させ、実家の跡取りの弟の医学士から瀉血されたことも、それから通夜の三日間|静....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
、僕はもう諦めて、どうでもなれと長椅子の上にふんぞりかえって寝ていた。そのうちに
亢奮の疲れが出てきたのか、睡くなった。そのままとろとろと眠る。 なにか物音がし....
「故郷」より 著者:井上紅梅
ものではなく、荒っぽくざらざらして松皮のような裂け目があった。 わたしは非常に
亢奮して何と言っていいやら 「あ、閏土さん、よく来てくれた」 とまず口を切って....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
るのを恐れるかの様に、黙り込んで了った。 大月は秘書の秋田を顧みながら、内心の
亢奮を押隠すかの様な口調で静かに言った。 「兎に角、一度、その断崖の犯罪現場へ行....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
前を道に擁して逢った時、すっかりワルトンの期待は外ずれた。アイリスは昨夜の一時的
亢奮の冒険を苦々しく思って居た。彼女の性に対する好奇心が、あんなにもたわいなくワ....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
いけ、飲むと平常と違ってよくしゃべる女ではあったが今日は加奈子に久しぶりで逢った
亢奮からまた余計にしゃべり度いらしかった。 ――もっとも素直には鬼奴らはあたしを....
「母と娘」より 著者:岡本かの子
発目が飛んで行きました。科学と神秘との交錯した光景に私の頭は錯乱したようになって
亢奮に身を顫わせて空を見上げました。アアママ、自然の力の如何に偉大で人間の力の如....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
石に英国風の飾り靴をはいて居たが足頸にも金環をはめて居た。彼女は腰掛けて居ながら
亢奮したように絶えず身を動かして体中の金飾りを鳴らした。彼女は身をくねらせて魅惑....
「虹と感興」より 著者:上村松園
、実際恐ろしいほどの出来ばえのものです。 雅邦先生も、これを描く時には、必ずや
亢奮的感興といったような気持で、描かれたものに違いありません。またそうでないと、....
「勝ずば」より 著者:岡本かの子
流れ出て仕舞う。多可子は焦った。 「ええ、理由がありますとも。でも、今はあんたが
亢奮し過ぎてるから、あとで落ち着いたとき、ゆっくり話す、ね。だから手当だけを受け....