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交々
「交々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
交々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
、汝が DS と共に治めんのみ。それ光あれば、必ず暗あり。DS の昼と悪魔の夜と
交々《こもごも》この世を統《す》べん事、あるべからずとは云い難し。されどわれら悪....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
の甲斐はない。最早落胆せざらんと欲するも得ずだ。其のうちに愈々夜に入った、万感|
交々《こもごも》胸に迫るとは此の様な場合を云うだろうか。勿論腹は益々空く一方だが....
「蠅男」より 著者:海野十三
。 帆村は愕いて、すぐさま二人の戒めの縄を解いてやった。 二人は再生の悦びを
交々のべた後で、偽の父と見破った瞬間に、忽ちこんな目に合ってしまったことを説明し....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
敷地にかゝったものは喜んだ。地主も、自作農も、――土地を持っている人間は、悲喜|
交々だった。そいつを、高見の見物をしていられるのは、何にも持たない小作人だ。 「....
「運命」より 著者:幸田露伴
を刺して、以て簡古と為し、世に於て加益するところ無し。是を文辞の蠹という。四者|
交々作りて、聖人の学|亡ぶ。必ずや諸を身に本づけ、諸を政教に見わし、以て物を成す....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
おこしておきなさいなね、芝居をしていないでさ。 欣弥 (顔を上げながら、万感胸に
交々、口|吃し、もの云うあたわず。) 撫子 (慌しく立ち、一室なる火鉢を取って出....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
服を着たものだからネックタイが一人で結べなかった。私は毎朝同室の医者と政治家とに
交々結んでもらったものである。それから日に日に新らしい事物に出会う応接と、その船....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
縫|鋏の冷たい腹を頬に当てゝ、昔|訣れた幾人もの夫の面影を胸の中に取出し、愛憎|
交々の追憶を調べ直しているのではあるまいか。夫人の最後の夫ジョルジュには夫人はま....
「死者の書」より 著者:折口信夫
て浸す。浸しては晒し、晒しては水に漬でた幾日の後、筵の上で槌の音高く、こもごも、
交々と叩き柔らげた。 その勤しみを、郎女も時には、端近くいざり出て見て居た。咎め....
「道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
引きさかるる人間の喚ぶに似たり。迸り出づる血の絶叫と、ねじりし出でし苦悶の声と、
交々にたえだえにきこゆ。 場に残れる三人の僧徒らは、ことごとく生色を失い、なすこ....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
った。夜空には仄かに新月が立っていた。私は少年の髪の香を嗅ぎながら不安と愉楽とを
交々味わっていた。 「僕を可愛がって下さい」 と彼は突然言った。 「だって君は....
「光は影を」より 著者:岸田国士
たといえる通称「バイロン」の名を、いつまた呼ぶことができるか、京野等志は、万感|
交々いたるという面もちで、もういくらか白んで来た星空を仰いだ。 彼は、いつの間....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
流する水道を、白波たつ波頭を蹴散らし蹴散らし、いささかのセンチを目に浮べて、悲喜
交々、闘志を抱いて渡る関門の海峡を、逆に白波を追っていた連絡船の中で、夢野久作の....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
したのです。どんなにかしたでしょう。
そのうちに国は無政府の状態になって、上下|
交々争い、
兄弟|牆に鬩ぎ、相殺し、
城と城との間、市と市との間、工業組合と
貴....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
て。畜産について、また林業について――造林、保護、調査。水産、或は教育について。
交々詰めかけ詰めかけ質問した私たちに、かの樺太の王様たる長官が何を、また如何なる....