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交じり
「交じり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
交じりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ねてから聞き知って慕っていた人を、今目の前に見たように、うやうやしさと親しみとの
交じり合った表情でこれに応じた。そしてすぐそのばから、夫人の前にも頓着《とんじゃ....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
すがしゅうこそ思い候え。生々世々、国主大名などに再びとは生れまじきぞ、多勢の中に
交じりながら、孤独地獄にも陥ちたらんが如く苦艱《くげん》を受くること屡々《しばし....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
るティアマート(Tiamat 渾沌)があるのみであった。』この大洋の水と渾沌とが
交じり合い、その混合物の中に我々の世界の原始的要素が含まれていたので、その中から....
「愚人の毒」より 著者:小酒井不木
取った三人のうちいちばん若いのが津村検事で、額が広く目が鋭く髭がない。中央の白髪
交じりの頭が藤井署長、署長の右に禿げた頭を金縁眼鏡と頬髯とで締め括ってゆったりと....
「映画の世界像」より 著者:寺田寅彦
き回していれば、米と小豆は次第に混合して、おしまいには、だいたい同じような割合に
交じり合うのであるが、この状況を写した映画のフィルムを逆転する場合には、攪拌する....
「洪水大陸を呑む」より 著者:海野十三
、弟月は地球にぶつかっている。そこは大洋らしい。すごい火花と焔と電光が、たがいに
交じりあって、目もくらむほどだ。波はさかまき、雲とも湿気とも煙ともつかないもやも....
「露肆」より 著者:泉鏡花
と笑出す。次へ、それから、引続いて――一品料理の天幕張の中などは、居合わせた、客
交じりに、わはわはと笑を揺る。年内の御重宝九星売が、恵方の方へ突伏して、けたけた....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
っしりしている。四十三にしてはふけて見える。皮膚は蒼白に黄味を帯び、髪は黒に灰色
交じりの梳らない団塊である。額には皺、眼のまわりには疲労の線条を印している。しか....
「議会の印象」より 著者:寺田寅彦
陳述した。その後で立った人は、短い顔と多角的な顎骨とに精悍の気を溢らせて、身振り
交じりに前の人の説を駁しているようであった。 たださえ耳の悪いのが、桟敷の不良....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
はよいのではありませぬが、 坐禅せば四条五条の橋の上 往き来の人の中に
交じりて そのままに見てと申しますと、自分と向こうの人との関係がついていない。そ....
「歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
滴の核になる塵の差違から起るという事である。霧で有名なはロンドンで、石炭や煤の粉
交じりだから特別な不快な色をしている。そしてこの霧は市の上に限られて少し市外へ出....
「短歌の詩形」より 著者:寺田寅彦
遠い関係を思わせる。例えば李白の詩を見ても、一つの長詩の中に七言が続く中に五言が
交じり、どうかすると、六言八言九言の交じることもある。四言詩の中に五言六言の句の....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ましたのですが、まるで娘を掠奪われるような工合で、私も実に驚きました」 と、愚痴
交じりにいっておられた所を見ると、未亡人も承諾はしたものの、先方の行方が乱暴なの....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
が虎に喰い殺された。と云って、東京の家の者達を驚かせてやったら面白かろう、と冗談
交じりに云いました。そいつはうまい考えだと手をうって喜んだものです。 ――家の....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
徳智識の法話に「仮名法語」なるものがある。婦女老幼にも判るようにと仏の大道を仮名
交じりの俗談平話に説くのである。読者この書をもって俳諧の仮名法語として見られよ。....