交付[語句情報] » 交付

「交付〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

交付の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
眼帯記」より 著者:北条民雄
ガーゼと眼帯をくれた。私はその足ですぐ受付により、硼酸水と罨法《あんぽう》鍋とを交付してもらって帰った。 私は生まれて初めての眼帯を掛けると、友だちを巡って訪....
第五氷河期」より 著者:海野十三
まかせず。あと一万人の日本人を収容する資金として、金二千万円を至急愚娘氷子にまで交付されたし。なお、その他のことにつきては、絶対に質問したまうことなかれ。北見生....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
など、そんな重要な証拠物件を、どこからか手に入れていた。云いつけると、外交部から交付される筈の、外国へのパスポートまで、ちゃんと、印まで間違いのない印を捺して拵....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
事には中味は空だった。父の日記の方を見ると、 重武に関する調査報告書は本日重武に交付せり。 と書いてあった。思うに重武は交換条件の一つとして、その調査書の原本....
日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
でも実行出来ることだ。学術の場合に就いて云えば、例えばある種の研究には研究資金を交付して特に之を奨励するとか、研究施設を国庫によって補助するとか、其他凡ゆる方法....
社会時評」より 著者:戸坂潤
はそこで、三つの師範学校の卒業生四百六十八名を商工奨励館に集めて、集団的に辞令を交付する式を挙げることにした。之は辞令をなるべく出来るだけ厳粛に交付することによ....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
極的な安定などにはならぬのだし、それに三億円に近い地方財源の失われたものを国庫が交付金として負担するからと云っても、その全額分が農民プロパーに対して軽減されるわ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
読書をした。書籍は旧来の昌平塾在来のものの外、幕府の紅葉山文庫の蔵書がこの大学に交付されていたから、それを借覧することが出来るので頗る都合がよかった。中には唐本....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の許可は、サン・ジェルマンの修道院長メース氏によってカトリーヌ・ド・バール長老へ交付された。「現金六千フランにして年三百フランの定期納金を有せざる娘は入会せしめ....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
通り約束を実行したかどうか。 なるほど、最初の一月は一提の薬と、固定給四十円を交付したが、その後は口実を構えて補給薬も固定給も送らない。家賃、電灯代も忘れた顔....
」より 著者:犬田卯
。「だが――」と真面目くさって説をなす者もあるにはあった。「顔がきくから政府から交付金ひったくるにはもってこいだっぺで。」 事実、小学校を改築したり、荒蕪地の....
不在地主」より 著者:小林多喜二
は「移民案内」が入っていた。 道庁で「その六割を開墾した時には、全土地を無償で交付する」と云っている土地は、停車場から二十里も三十里も離れていた。仮りに、其処....
断食芸人」より 著者:カフカフランツ
むしばんでいた。そして、まだ一度でも、断食期間が終ったあとで――その証明書が彼に交付されることになっていたが――みずから進んで檻を離れたことはなかった。断食の最....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
十六首。歌数がこのように減じているのは、道家が草本を院の御所から尋ね出して定家に交付した翌月、十一月頃に定家自ら九条家に赴いて道家・教実父子に草本を示したところ....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
様になっては、自然にエタ仲間から遠ざかる。牢番等の役儀に対しても、番代銀をエタに交付して自身その役に当る事を忌がり、さらに後には全くその賤役から離れる事になった....