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「交差〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

交差の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
映画時代」より 著者:寺田寅彦
せ》で或《あ》るイタリア人の手先で作り出す影法師を見たことがある。頭の上で両手を交差して、一点の弧光から発する光でスクリーンに影を映すだけのことであるが、それは....
或る嬰児殺しの動機」より 著者:佐左木俊郎
怒鳴った。 貨物自動車や市営バスやタクシーは、二十間(約三六メートル)ほど先の交差点のところからつかえてきていた。そこには、群衆が真っ黒な垣をぎっしりと作って....
」より 著者:島崎藤村
いに流行の風俗を競おうとするような女学校通いの娘たちが右からも左からもあの電車の交差点に群がり集まっていた。 私たち親子のものが今の住居を見捨てようとしたころ....
物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
くはないが、人間の便宜という点から考えるとそれはむしろ不便である。大通りが縦横に交差してその間にはまた多数の「抜け裏」のあるような、そういう複雑な系統として保存....
沓掛より」より 著者:寺田寅彦
面をみずすましが駆け回っても平気で泳いでいる。この二つの動物の利害の世界は互いに交差しないと見える。しかし、めだかは人影が近づくと驚いてぱっと一度にもぐり込む。....
藤棚の陰から」より 著者:寺田寅彦
さを封じ込めてしまったということになるかもしれない。 十 神保町交差点で珍しい乗り物を見た。一種の三輪自転車であるが、普通の三輪車と反対に二輪が....
天災と国防」より 著者:寺田寅彦
代では日本全体が一つの高等な有機体である。各種の動力を運ぶ電線やパイプやが縦横に交差し、いろいろな交通網がすきまもなく張り渡されているありさまは高等動物の神経や....
早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
た。これまでは私は手も足も動かそうとはしなかった、――がこのとき、いままで手首を交差して長々とのばしていた両腕を荒々しく突き上げてみた。すると顔から六インチもな....
原爆詩集」より 著者:峠三吉
の町角 暁の橋畔に 立哨の警官がうごめいて 今日を迎えた広島の 街の真中 八丁堀交差点 Fデパートのそのかげ 供養塔に焼跡に 花を供えて来た市民たちの流れが 忽....
「自然」」より 著者:豊島与志雄
崖下の地先まで六七間、二三の段階をなしてる傾斜である。数本の落葉樹が新緑の枝葉を交差し、小鳥の往来繁く、地面には落葉積り、雑草生い茂り、昆虫類が戯れている。かく....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る。右下の端はラ・ベル・アリアンスで、そこにナポレオンがいる。Aの横棒が右の足と交差している点の少し下がラ・エー・サントである。横棒の中央が、ちょうど勝敗の決し....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
街を延長して、郭内の大通りと直角に交わっている。その大道と大通りとの角《かど》、交差点《こうさてん》をなしてる所に、早朝にはいぶかしい響きがして、入り乱れた混雑....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
ている。壁はらい病に冒されたようである。もうガラス戸もなければ、ガラス窓もない。交差してる太い鉄格子がついていて、それのあちらこちらに、囚人や狂人のやつれた顔が....
博物誌」より 著者:岸田国士
聴いていた。私が口を噤むと、彼はもう躊躇しなかった。一陣の風に、樹々の梢が互いに交差してはまた離れるように、彼の脚は動いた。彼は逃げ去った。 「実に残念だよ!」....
塵埃は語る」より 著者:小酒井不木
用向きを聞くと、夫人を乗せていったタクシーの運転手を調べたところ、夫人は須田町の交差点で、急に用事ができたからとてお降りになり、そのまま運転手に帰ってよいとおっ....